2限目:非難の目
朝から私本当に大変なんです。ええ、そりゃもう早起きなんて当たり前。
「行ってきまーす!」
愛車に乗り込みいざ出陣!ってもチャリですが。
「おっす!」
「、、、。」
「あら日高君、久しぶりねぇ。いい男になっちゃってぇ。」
はい、小学校から一緒でしたら母もご存じですから。
「いっいってきます。」
「おばさん俺ら同じクラスなんですよ。じゃぁ。」
素敵な笑顔であいつ愛想ふりまいてやがる。うちの親に、、。
「ちょっと、待ってよー!」
「おはよ、日高。」
「あっおはよう。」
かくして毎日の登下校の相手が出来た。
「友達出来た?」
「まさか、私だよ?簡単には出来ないよ。」
「あっああー。なんでもいいじゃん。知り合ったら楽しいんじゃないの?」
まぁまぁこいつも私の事わかってんだね。
人見知り激しいって。
「出来たの?」
「まあね。」
こいつは昔から愛想いいからなぁ。
「加地。」
「私?!っーか昔から友達じゃないの?」
「ははっそうだね。
やっぱ加地のそういうトコいいよね。」
一体なにがしたいんだ?あいつは?
「加地あいつと付き合ってんの?」
きたよ、あいつだよ。井上。席ついて早々これ。
「つーか私パシリじゃないから。」
昨日の一件実はムカついている。
「あっすいません。」
でも私かわったなぁ、今までなら男と話すのも緊張だったのにな。
「で?」
「気になるの?」
ちょっと意外という顔をし井上は続ける。
「昨日見たから、あいつ他の女と、、。だからさ、そういう事は、、。」
おかしい。男ってわからない。こいつも。
「あははははー!」
この笑いで教室中の奴らに一瞬注目されるがもう別にいいや。
「できてないから別に気にしなくていいんだよ?」
なんだかわからないというような表情。
まぁでもお節介だったって気がついたみたいでそうと言うと席に着き教科書をだしはじめた。
授業中一切れの紙が回ってきた。
『加地さんって井上君と仲いいよね。知り合いなの?』
、、、、、、。
一体誰が、、。キョロキョロしているとこっそり手をあげこちらをみてアピールしてる子がいた。
休み時間にとりあえず話に行こうと思った。
「あのメモそう?
私あの人と話すのこのクラスになってからだから大丈夫だよ。」
「あっあー。」
とたんにその子は泣きだし私はクラスから非難の目で見られるようになった。
なんで?悪い事した?
それだけが一日中ぐるぐる頭の中で駆け巡っていた。