青空の下
この青空の下。
僕は君を思い出す。いつも、青空を見上げていた、小さい小さい君の背中を。
君は今なにをしている?
僕は、空を見上げている。あのころの君がしていたように。
僕たちが出会ったのは、中学生のときだった。
入学式のとき、1人ぽつんと見上げていた。あのころから、君はよく空を見上げていた。
君は、背が小さかった。でも、青空を見上げていた君はとても大きく見えた。
僕はいつも君を、目で追っていた。
僕の目に映る君の姿は、空を眺めているものが多かった。
君を見ているうち、僕も空を見つめることが多くなった。
君と同じものを、見ている気がして、うれしかった。
僕は、この気持ちをなんというのか分からなかった。
君を思わず目で追ってしまうのは、僕にとって目立つ存在だったから。
僕にとって大切な人だから。
こんな感情を、愛って言うのかもしれない。
僕は、この気持ちに気付けなかった。
大切なものは、手に入れられなくなってから、気がつくものだ。
もし君に毎日会うことができていたら、この気持ちに気付けなかっただろう。
でも、今君の姿を見ることはできない。
君が、青空の下ぼんやりと眺めている姿も見ることができない。
僕は今日も、空を見る。
晴れ渡っているときもあれば、曇りのときも、大雨のときもある。
君がいなくなって、僕は、滅多に空を見なくなった。
青空の下には、君がいるような気がしたから。
青空を見上げると、涙があふれてくるから。
空の中に、君の面影を探してしまうから。。。
僕が空を見上げる。
それは、君に会いたくなったとき。
君の姿を、青空のした、探しているとき。。。。
読んでいただき、ありがとうございます。
わたしは、どうも幸せな話はかけないようです。
これからは、少しでも、明るいお話を書いていきたいと思います。