表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

音の鳴るほうへ

作者: シキカン
掲載日:2026/04/24

これだけでも楽しめますが、「オフィーリアのための塔」を読んでからですと、より楽しめます。


https://syosetu.com/usernoveldatamanage/top/ncode/3134228/noveldataid/28848116/


『…止めよ。塔の建設を止めよ。

 さもなくば、皆が散り散りになるであろう。』


ハッ!

「夢…?」

テントから外に出、見上げる空は未だ漆黒で、何も変わりなかった。

だけど私の脳内にはさっきの言葉が、脳内で巡り続けていた。


夜が明け、また同じ日を迎える。

労働者は塔の建設に勤しんでいた。

何気なく見上げた塔の先は、雲ひとつない青空で、降り注ぐ光が痛いほどでもあった。

休憩時間になり、アランの元へ水を運ぶ。

いつものように隣に腰掛け、昨夜の夢の話を何気なく話した。

最後まで話を聞いてくれたアランは、私の頭に土で汚れた手を乗せて

「怖かったな。もう大丈夫だ。」

と、優しく微笑みかけてくれた。

私は頬を赤らめ、それまで見つめていたアランの目を逸らした。

すると突然辺りは真っ暗闇に包まれ、雷鳴が轟き始めた。

地が震え、砂埃で視界が霞む。時折激しい光が視界を阻む。

周囲は逃げ惑う人々の悲鳴が飛び交う。


『汝、何故、我の啓示を無視した。

 これは報復だ。』


塔よりも遥か上空から声が聞こえる。

今、この啓示を皆に知らせたら、崩壊は止まるかもしれない。

「みんな、聞いて!!」

しかし、周りの人たちは私の声になど耳を貸さず、必死で逃げ惑っていた。

すると私の元に、今にも破片が直撃しそうになっている。

私は恐怖のあまり脚がすくんでしまい、動けない。


「オフィーリアー!!!!」

アランは叫びながら私の元に駆け寄り、強く抱きしめた。

「ありがとう、アラン」

私も力強く抱きしめた。

アランが何か話している。しかし、アランの口元と、発する言葉が違って聞こえる。

「ア…ラン?」

私を見つめながらずっと懸命に話しているアラン。

だけど、私にはもうアランの言葉は理解できない。

そうわかった瞬間、私の瞳から一筋の涙が流れた。


それでも、私は手を伸ばした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ