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人外の館  作者: 赤松みと
【2】
5/6

5

 僕………は、誰だっけ。


 まどろむ頭で、誰かに呼ばれた気がして、目を開ける。


 ベッドと、机、椅子、本棚。それだけの簡素な部屋だ。どこだろう、ここ。


 いや、知っている。僕はここを知っている。


 ただよってくる匂いの場所も、そこに立っているであろう人のことも。


 知っているけれど、何も知らない。


 足が勝手に階段を降りた。少しだけ鼻をつくような匂いがして、顔をしかめる。



「起きたか」



 柔らかい声に顔を上げた。少しぎこちない微笑みを浮かべた女の人がいた。



「お前はオリヴァー、私の子。私はレイラ、お前の母だ」


「かぁ、さん」



 お気に召す呼称だったらしく、どこか満足げに彼女は頷いた。



「腹が減っているだろう。すぐにご飯にしよう」



 母さんの言葉に返事をするように、僕の腹が音をたてた。

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