表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
29/100

29.improve

 進歩とは素晴らしいものである。殊に、その内包された意志の、進もうという力が素晴らしい。よしんば努力が実らなかったとしても、向上心さえ抱き続ければ人生において大きく得る物があると言えるだろう。

 このことを教えてくれたのは私の父である。常に足りない自分であれ、下を見るな、研鑽を怠るなと口癖のように繰り返した。その父の信念は、そのまま私の信念になった。

 私は決して優秀ではない。

 勉学、スポーツ、人間力などで同輩に泣かされた回数は数え切れない。それでも折れずにここまで生きてこられたのは、父のお陰と言うほかはない。私が失敗する度に喝を入れ、明日のためのエネルギーを与え、より良い発展のための体と脳を作ろうと最善を尽くしてくれた。

 そして、何度も躓き、壁にぶつかりながらも、私は周囲と高め合いながら今の地位を手に入れた。今では多くの仲間と共に、力を最大限発揮して働いている。辛いこともあるが、すこぶる健康で病院に世話になることもないし、毎日が充足感に満ちているのだ。

 父には本当に感謝している。もう長い間会っていないが、今頃どうしているのだろうか。

 

    *

 

「もう長い間になりますが、大丈夫なんですか?」

「何がだね」

「あのロボットたちですよ。百年はメンテナンスしてないんでしょ」

「ああ、大丈夫だよ。なにせ出来が違うんだ、我が社のロボットは」

「確か独りで開発した人がいたんですよね」

「うむ。天才的なエンジニアだったらしい。先々代の時に亡くなったんだが、天涯孤独だったらしくてね。遺骨をこの建物の下に埋めてあるんだ。墓標にしたいという遺言でね」

「あのロボットたちを草葉の陰から…ってわけですか」

「そうだな。何しろ、連中の人工知能に彼を『父』と認識させているそうだから、余程愛着があったんだろう」

「全く、仲のいい親子ですねえ」


 

「~を向上させる」、

「~を改善する」、

「向上する」、

「進歩する」。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ