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第9話 入学式当日 中編

「優くん、やっぱり1人は寂しいよ」


「うわぁ!」


志歩がドアの陰からぬっと姿を現した。


「なんでここにいるの!?」


「だって1人じゃ寂しいんだもん」


志歩は自分がアイドルという自覚を持っているんだろうか?


寂しいくて俺にくっついてくるのは嬉しい、が時と場合による。


どう考えても今はまずい。


「学校目の前だよ!?徒歩1分でつくよ!?」


「でも、一緒に登校したいんだもん」


「もう、時間の都合上一緒に行くしかないから一緒に行くけどさ、今回が最後にしてくれよ?」


「やった!」


そのまま俺たちはアパートの階段を降りて、信号を待っていた。


「ねぇ、あの人ってしほりんじゃない?」


「うわ、マジだ!」


「めっちゃスタイル良いし可愛いじゃん」


「隣にいるあの男子は誰だ?」


「同じクラスになれないかな~」


回りが少しざわつき始めた。


「少しだけ距離とるぞ」


俺は志歩に耳打ちした。


志歩はというと


「やだ!!」


そう言い、俺の腕を思い切り掴んできた。


「え!しほりんがあの男の人の腕つかんだよ!?」


「彼氏か?」


「しほりんに腕掴んでもらえるとかズルすぎだろ!」


疑惑の視線と嫉妬の視線が一気に増した。


「俺が志歩のファンに刺されそうだからやめて!?」


「良いじゃん、別に幼馴染なんだし」


「は!?何を言ってるの!?」


少し力を入れて志歩を引き剥がそうとしたが、相当な力を入れて俺の腕を掴んでいるのだろうか。


なかなか引き剥がせない。


力一杯腕を振って引き剥がそうとしたら、志歩が怪我をしかねないから下手に力を入れすぎるわけにもいかない。


結果俺は志歩を全力で説得するしかなかった。


「志歩、お願いだから離れて?」


「やだ」


「家でだったらいくらでも抱きついて良いから」


「本当!?」


「ほんとほんと。だから離して?」


志歩はすんなりと俺の腕を離した。


しかし時すでに遅し。


周りの生徒から


(こいつ何者?)


という視線で見られていた。


その視線に耐えながらようやく昇降口についた。


「俺のクラスは何組だ?」


(柳 優… 1組か…)


俺は1組の教室へと向かった。


教室に着くと


「やあ、春休み以来だね。優」


「龍馬!?1組だったのか!」


中学の時、1番話した友人が待っていた。


「龍馬が同じクラスならあんし…」


「後ろの彼女さんもよろしく」


「ん?後ろ?」


まさかと思い後ろを見ると志歩がいた。


「私も1組」


「マジか」


これに関してはどうしようもないので、俺は席は出席番号順だと思うので前に貼った貼り紙を見に行った。


紙には出席番号でも無い、先生が気分で決めたような席順が書いてあった。


そして俺は絶望した。


横、志歩 後ろ、竜馬 他、全員女子


竜馬以外誰も話せる人が居なかった。


横にいる志歩も問題だ。


たった1分も離れられないとなると、教室で一生話しかけてくる恐れがある。


(家に帰ったら言っとかないとな...)


竜馬と雑談をして朝の時間を潰していた。


志歩との関係を聞かれるだろうと覚悟していたが、その事には一切触れてこなかった。


人の触れてほしく無いところに踏み込んでこない。


踏み込んでくるところの線引きが上手いのだろう。


だから俺もリラックスしてしまい、本音を吐き出してしまうんだろうな。


今日は言わないように注意してるから言わないと思うが。


「ねえ、ねぇねぇ」


志歩が服の袖を引っ張ってきた。


「どうした?」


「私たちって付き合って無いよね?」


(周りの女子たちに聞かれてるのか?)


志歩の席の周りに女子の人だかりができていて、キラキラした目でこちらを見てきた。


「うん。付き合ってないよ」


そう答えると


「え〜?本当に〜?」


と疑惑の声が上がった。


(初日からこの有様ではそのうちバレるんじゃなかろうか?)


俺は今後の学校生活が心配になった。


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