表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/45

第7話 マジでバレるって!

「ん〜〜〜〜~!」


買い物という題目で出かけた俺らは今、クレープを食べていた。


志歩はニッコリ、俺はげっそりしていた。


なんでげっそりしているかって?


俺がこのお出かけで何回ヒヤヒヤしたと思ってるんだ!!


ただでさえ金髪赤目で目立つのに、志歩が志歩自身のグッズ売り場に入って行ったり、メガネ落としたり!


志歩の危機管理能力は酷いものだった。


特にグッズ売り場に入って行ったときはビビった。


周りは志歩のファンばっかで、俺より志歩の事を見てきている人間だ。


普通に考えてバレると思っていたが客にチラッと見られたくらいで済んだのが驚きだ。


メガネで誤魔化せるってアイドルの時どんだけ能天気な顔してるんだか。


他にも色々ヒヤヒヤさせられて俺はげっそりしてしまっていた。


「優くん!このクレープすごく美味しいよ!一口上げる!」


「あーん」


そして俺はそのまま志歩が差し出したスプーンを口に入れた。


今、志歩が食べているのはチョコクリームバナナクレープらしい。


口の中でチョコとさっぱりしたクリームが混ざり合い程よい甘みを生み出してるのがまた良い…


というか俺は何をされた?なんか普通に受け入れてしまったが。


周りを見るとDQNぽい奴らが


「ちぇ、あいつ彼氏かよ」


と言って去って行っていた。


「私たちカップルに誤解されちゃったねっ」


「いやなんであーんした?」


「別に許嫁だから良いじゃ〜ん。されて嫌だった?」


それを言われてしまうと俺には発言の自由が無くなってしまう。


「いや、嫌ではないよ。いきなりでびっくりしただけ」


「なら良かった〜。はい。あーん」


ほらみろ!こうなった!!


俺にだって羞恥心はあるし、相手が美少女となると余計に恥ずかしくなるんだよ!


でも、ここで俺が恥ずかしさを理由に拒否ると志歩がシュンとする未来が見える。


だから俺に拒否権はない。


「あーん」


「あーん」

  :

  :


志歩は食べているのだろうか?ほとんど俺が食べている気がする。


よくよく考えると志歩はここに来てからずっと飴だのガムだのコロッケだの色々食べていた。


「なあ、まさかお腹いっぱいになったから俺に食わせてるとかないよな?」


「………そんなはずある訳ないじゃん」


「いや、あの間は絶対あるだろ」


「てへ、バレちゃった。恋人に食べさせるの憧れてたからやってみた」


「今までに彼氏いた事ないの?」


「だってアイドルやってるから恋愛出来なかったんだもん…」


少し俯いてそう言った。


アイドルだとやっぱりそういう事あるんだな…


確かにそれが理由なら仕方ないか…


よし!もうプラスに考えよう!


超絶美少女にクレープを食べさせて貰えるなんてこの上ない幸福なんだ!


俺はそう思うことにした。


「あーん」


正面に座って食べさせてもらえるから志歩の顔がよく見えるがマジで綺麗だな。


シミ、ホクロ1つ無いし産毛も生えていない。


正真正銘の卵肌だった。


そんなことを考えながら俺は志歩が差し出してくるスプーンを口へ入れていた。


「ガタッ」


真後ろの席の誰か来た。


すると中学時代によく聞いた声が聞こえた。


「いや〜、久しぶりに会ったと思ったら彼女とお熱いね〜」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ