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第27話 今と昔

(まずい、志歩が!)


あの男の人とかなり出来てから気づいたから、追い付くのがかなり難しい距離になっていた。


「志歩っーー!」


「なに~、っ!」


あの男の人に気づいたらしく志歩の顔がひきつった。


しかし志歩のすぐそばまで男の人は来ていた。


「しほちゃーん!」


男の人が声をあげた。


(名前まで知ってるのかよ!どんだけ志歩をつけてたんだ)


そして志歩に追い付いてしまった。


「あんな男とじゃなくて僕と仲良くしてくれよ~!」


そのまま志歩の腕を掴んだ。


そのタイミングで俺も追い付き男の腕を引き剥がそうとした。


すると志歩の様子が豹変した。


「気持ち悪いんだよ!!ゆーくん以外の人が触れるな!」


そういって男として大切な部分を思い切り蹴りあげた!


「Oh…」


近くで見てたから分かるがクリーンヒットしていた。


「………」


あの男はというと静かに地面に倒れていた。


「こいつがストーカー!」


「警察と救急車呼ぼう」


「なんで救急車?」


「うん……それは考えてくれ」


ピクリともしないので気絶しているのだろう。


あの怪力を持っている志歩にゴールデンボールを思い切り蹴られたのだからこうなるのも無理はない。


下手したら潰れているかもしれん。


しばらくすると警察が来て、その男を連行しようとした。


しかし、気絶して動かないので救急車で病院まで行って、それから取り調べをされる流れになったらしい。


俺と志歩は証人としてあとで呼ばれるようだ。


少しして警察も救急車も去り俺と志歩だけになった。


「守れなくて本当にごめん」


俺は頭を下げた。


まず、前にカフェでどう考えてもおかしい頻度で会ったことに疑いを持つべきだった。


そして志歩をその男から遠ざけるか警察に相談すべきだった。


しかしそこで俺は疑わずにそのまま放置した。


俺が気を付けていれば、志歩嫌な思いをせずにすんだ。


完全に俺の油断の無さが招いたことだ。


「そんなこと無いよ!ゆーくんは小さい頃からずっと私の事守ってくれてたじゃん!」


「いや、俺がもっと気を付け………小さい頃?」


「そうだよ!私が小学校で虐められてた時もずっと守ってくれてたじゃん!」


俺の心臓が早鐘を打った。


小学校の時、唯一の幼馴染みであり女友達だったのはしーちゃんだけだった。


ということは志歩はしーちゃんということになる。


「しーちゃんなのか……?」


「やっと、気づいてくれた……」


俺は……また守れなかったのか。


助けられたはずなのに助けることが出来なかった。


しーちゃんにもう1度会えたらこれだけは謝りたかった。


「本当にごめん……あの時も守れなくて……」


さっきより深く頭を下げた。


「本当に私を守れなかったと思ってるの?」


「だってあの時も俺がちゃんと回りを見てればーーー」


「私はいつもゆーくんが近くにいて支えてくれたお陰でいじめに耐えられたんだよ?」


「でも転校してたじゃん……」


「あれは、私がアイドルになるために養成学校みたいなところに入るから転校しただけ」


「え……」


「だからゆーくんが責任を感じる必要はないよ」


そういって笑う姿がしーちゃんの姿と結びついた。


「本物のしーちゃんなんだな……」


「そう言ってるじゃん」


「……」


「え!?どうしたの!?」


しーちゃんと再会できたという事実と、転校の原因がいじめじゃ無いと分かって泣きそうになっていた。


「いや……だってさ……」


「ほら!シャキっとして!泣いてるなんてゆーくんらしくないよ!前みたいに私を元気にしてよ!」


その1言で頭にかかっていたモヤが取れた気がした。


「じゃあ、帰りましょう!!」


「ああ、そうだな。帰ろう」


そうして、昔のように歩調を揃えて歩いて帰った。


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