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異世界転移の賊  作者: 旅人流儀
1章 転移と戦争
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第7話 休暇と調査報告と300年前の事実

*ランディ・スレイマ

 ランディとスレイマは宿の部屋で休む。

 一応会話を聞かれないよう部屋全体に“音遮断結界”を張って。

「とりあえずあの対応でよかったよね?ランディ。」

「討伐が依頼じゃなくて調査が依頼だったからあの対応でよかったと思うよ。」

「とりあえず今日と明日は休みにしようか。」

「武器は今あるものは装弾数10発の拳銃と刃渡り50㎝の剣、それに解体用ナイフとスタンガン、あとは防刃ベストに防毒マスク、その他こまごまとしたものかな。」

「あまり拳銃は人前では使わない方がよさそうだね。」

「防毒マスクもね。周りから見ればただの不審者だから衛兵に通報されかねないから。」

「じゃあ、今日は必要なものをそろえてギルドで情報収集ってところかな?」

「そうなるね。じゃあギルドへ行こうか。」

そんなことを言いながら、ギルドの前まで来た二人。そこで受付の者たちや、そこにいた冒険者が話していたある単語を聞きつける。

「なあ、普通あのあたりまで入ったら盗賊に狩られていると思わないか?」

「確かにな。数も50で圧倒的に戦力差がでかすぎる。」

「あの二人が腰にしまっていたものって銃じゃないかな?」

「ということは、秘密結社ストロディアの人間だと?」

この会話を聞いていたランディとスレイマもまさかここでその名を聞くとは思ってなかったようで、驚愕していた。

近くにいた冒険者に尋ねる。

「お前らは秘密結社ストロディアを知っているのか?」

「ん?ああ、いたのか。もちろん知ってるぜ。というかこの国の者なら知らない奴なんていないんじゃないか?」

「どうして知っている?」

「昔もこの王都も犯罪率がとてつもなく高かったんだがよ、確か、300年前の記録だっけ?それによるとその時期からすごく犯罪率が低下していたんだ。そこで当然だが国の調べが入った。なぜこんなにいきなり減りだしたのかってな。その結果、一つの組織がその1年前にできていて、その組織ができてから犯罪率が低下していたんだ。その組織が…」

ランディがその言葉を引き継ぐ。

「秘密結社ストロディアというわけか。」

「そうだ。」

スレイマだけは話についていけず、ランディに聞いていた。

「どういうことなの?ランディ」

「ああ、スレイマはまだ補助だから300年前に何が起きたのか知らないのか。300年前、確か、秘密結社ストロディアの3代目総裁レイルフォードと4代目総裁テイラーナが入れ替わった時だったかな。あの時、ストロディアは内部で一度分裂した。旧三代目の遺志を継ごうとする過激派とあまりことを荒立てたくなかった4代目の保守派にね。そこで抗争になり、その結果4代目は敗北し君が得意とする“空間”で異世界へ逃げ延びた。恐らくこのころにこの世界でこっちのストロディアの前身が出来上がったと思うんだけど。」

「ああ、確かそのころだったぜ。今はこちらは7代目総裁リーナレックになっている。もっと詳しく知りたけりゃ、あのでかい屋敷にいくといいよ。あそこが秘密結社ストロディアの王都本部だからな。」

そのように薦められて秘密結社ストロディアの王都本部へとランディとスレイマは赴いた。

「ちなみにこちらの総裁は、9代目総裁ディーラムになっているよ。」

去り際にそんな言葉をつぶやきながら、二人は屋敷へと向かっていった。

*メイラ・レイル

 秘密結社ストロディアの本部へと向かうメイラとレイル。報告へ行くためだ。

「只今、戻りました。ディーラム様。」

「報告を聞こうか。」

「あの屋敷をもう一度調べると、いろいろと処理の甘い、薬莢やら血痕やらが出てきました。」

「ふむ、そこまで余裕がなかったわけか。わざわざ証拠を残すということは。」

「そのようです。そして、“世界探知”を使ったところ、あの二人の反応はこの世界にはありませんでした。死んだのか、異世界へ行ったのかはわかりませんが。」

メイルとレイラのその言葉にディーラムは考える素振りを見せる。

(この世界に反応がなかったということは、保守派のいるあっちの世界へ行ったということか。)

「わかった。では、この調査はこれで終いだ。ご苦労だった。」

「よいのですか?あの二人を放置していても?」

「問題ない。恐らくだが、300年前の抗争時に保守派が行った世界へと召喚されたのであろう。なぜ、召喚されたかはわからんがな。」

このディーラムから発せられた一言でこの場は静寂に包まれた。


異能力説明

・世界探知:指定した対象を、その世界にいればどこにいるかまで正確に把握できる。ただし別世界には干渉できない。また、人間以外の生物は対象に指定できない。

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