第6話 初依頼の成功と報酬
*ランディ・スレイマ
朝起きて、森の入り口での野営の痕跡を残さず消し、森の中を進んでいく。700メートルほど進んだところでその盗賊は現れた。
ランディが普通に発した言葉。それに盗賊は答えた。
「ということはここが君たち盗賊のねぐらというわけか。」
「ああそうだぜ。俺ら魁狼団の縄張りさ。さあ、金目のものをいただこうか?」
スレイマは問う。
「抵抗すれば?」
「そのときは始末するさ。こっちは50人。対するそちらはたったの2人。」
「逆に君たちは私たちだけでもその人数を倒すことができるからたった二人で来たとは思わないのかな?」
「つまらん冗談を。それにあんたら最下級のGランクじゃないか。どこまで大口たたけば気が済むんだ?」
「そう思うのならば試してみればいいじゃないか。ほら、攻撃してごらん。君らの攻撃は私たちには届かない。」
「なんだと!!野郎ども、やっちまえ!」
そうリーダーと思しき男が言うと剣を振りかざすもの、槍で突こうとするもの、矢を放ったりしようとするものなどいろいろな攻撃方法でこちらを攻撃してきた。だが、剣で攻撃したものはランディたちの周り1メートルに剣や槍が入った途端、剣や槍は半ばからすっぱりきれいに切断され、矢を放ったものはその矢がすべてランディたちの剣ではじき返された。
「貴様ら、何をした?」
「別に何も。しいて言えば私の空間で空間ごと切ったのかな?」
「じゃあ、矢はどうやってあの数を一気にはじき返した?一斉に結構な量の矢の雨が降ったというのに」
「だから言ったでしょ。君らの攻撃は私たちには届かないって」
そういうとスレイマは“空間”の“隔離結界”で辺り一帯を覆い、そこへランディが“物質”の“毒物生成”で麻痺毒を“隔離結界”の中へ充満させ、盗賊が気絶したのを見て街へと帰った。
「初依頼の完遂、おめでとうございます!」
町へ帰ると報酬の金貨五枚を受け取り、宿を取りそこで休息をとるのだった。
*メイラ・レイル
メイラとレイルは再び秘密結社ストロディアの指令を受けて、ランディとスレイマが任務のため侵入した屋敷の中へ“幻”の効果で二人共の姿を透明化したのち、ランディとスレイマの当日の経路をたどるように屋敷内を抜けていった。メイラの“光”とレイルの“金属”で簡易的なカメラを作成し屋敷内の様子を記録していく。地下室、今は亡き屋敷の主の私室、厨房、そして屋敷の主が殺されたパーティー会場。パーティー会場にはいくつかの痕跡が残っていた。
「ねえメイラ、ちょっとここ見てみて。」
「どうしたの?」
「ここだけ、血痕が残ってる。そしてこっちには弾が当たった後と思しき壁の傷に薬莢さらにはナイフまで。ランディやスレイマがこんな殺したのは私ですと言わんばかりのバレバレの痕跡を残すかな?」
「それぐらい焦っていたんじゃないかな?こんな近くで殺したのならすぐにばれるだろうし。」
「もしくはこの屋敷の主を殺した犯人はランディとスレイマではないのかな?」
「それはないと思うよ?だって貴女も聞いていたでしょう?あの任務完了の知らせを。」
確かにそれもそうだと頷くレイル。あの二人が報告してきたのならその時点でその任務は完遂されたということだ。
「とりあえず侵入がばれないうちにさっさとここから出て本部へ報告に戻るよ。」
「了解。」
そして先程まで彼女らがいた空間には生物はすべてが消えた。
異能力紹介
・毒物生成…ありとあらゆる毒を生み出すことができる。形状も術者が指定した形状で、量も術者が指定できる。
・隔離結界…一定時間その場を隔離することができる結界。隔離される時間は術者が指定できる。




