第7話 世界間での密談
*秘密結社ストロディア王都拠点
ストロディア王都拠点で資料請求を行って、一週間がたった。この日を待ちわびていたものがいる。それは、リーナレック・ストロディアである。彼は、一週間がたち、地球世界から資料が届くのを待っていた。その資料の内容は、四代目から現在の総裁までの地球世界でのストロディアの、任務中の失踪者、行方不明者、転移者等に関する資料だ。
なぜ、そんなものが必要か、と問われれば、答えは一つしかない。それはひとえに、帝国に巣食う組織である死の荒野を潰すという目的に集約される。
さて、リーナレックがそんな思案をしている間に世界間物品転送装置が起動した。さらに、搭載されている通信装置も起動した。
「やあ、一週間ぶりだねぇ、リーナレック殿」
「こちらこそ、ディーラム殿。ところで、お約束の物は?そこにある、書類の束ですかな?」
リーナレックは、まだあちらの画面に映っている、書類の束を指さし、問うた。
「ああそうだ。ここにあるとも。きちんと証明も入っている。いやぁ、君はけっこう気が早いねぇ。じゃあ、今から送るよ。…転送っと」
リーナレックは、送られてきた資料のコピーを一枚一枚めくり、確認する。どの書類にも、歴代の総裁の印鑑とその証明書、加えて総裁の署名もつけられている。この三つが揃っていないと、総裁の、ひいては組織の証明書及び正式書類とは、認められないのだ。
「うむ、正式書類であることを確認した。こちらの証明書に総裁の印鑑とその証明書、加えて総裁の署名をつけて送ればよいかな?」
「ああ、そうしてもらうとありがたい。しかし、この転送装置は誰が作ったのだね?」
「ああ、それは、主にランディとスレイマが」
ディーラムは納得した。だが同時に疑問も芽生える。
「世界間での通信はともかく、物品をそのまま輸送しようとすると、ただでは済まないのではなかったかね?どうやって、世界観の壁を乗り越えて輸送した?」
「それはだね、こちらにあるダンジョンの“白牢核”を組み込んだ。ダンジョンの“牢核”は、空間系統の素材でできていて、使うと、物質自体を保護できるってことに、ランディが気付いてね、それを組み込んで作られたのが、この世界間物品転送装置というわけだ」
「なるほどね。それで、世界間物品転送装置をこちらに送り届けた後は、物品の転送がやりたい放題というわけか。だが、世界間の法則を管理しているのは、八環世界のうちの神界の者たちだ。奴らが黙ってはいまい」
「それは、問題ない。きちんと世界隠蔽の魔法陣が組み込まれている」
「そうかそうか、とんでもないものを創り出したようだね」
斯くして、世界間の連携についての密談は、終了した。




