第38話 世界間物品転送装置
*秘密結社ストロディア
リーナレック・ストロディアが、講和会議に出席している間、ランディたちは次の任務である、帝国内の秘密結社、死の荒野の実態調査及び壊滅のために欠かせない装置を作っていた。その装置とは何か?それはもう、部品ごとに分けられてあとは、組み立てるだけとなった装置、一時間もしないうちに、全く同じ形状のものが2台、組みあがった。高さ3メートル、直径2メートル、下半分は円柱状になっており、その円柱の曲面の一部に一辺1メートルの正方形の穴が空いており、扉による開閉式になっている装置。また、その扉を開けた内部の下面の円には、びっしりと魔法陣が、描かれている。
その場にいたのは、4名。ディル・ジル、杏林風花、ランディ、スレイマの4名だ。
「ランディ、これは何だい?」
「これは、帝国内の秘密結社、死の荒野の実態調査及び壊滅をより盤石にするための装置。君たちも知っている通り、生物にしても、物にしても、世界間を渡るためには、必ずわたる生物及び物には、空間系の異能力を使った安全装置、ひいては自分やその荷物を保護するための結界などが必要になってくる。もし、それがないままに世界間を渡ると、生物も、物も、灰になる。だから、他世界から勇者を召喚するための魔法陣は、召喚される者や、それに追随するものを保護するための術式が必要になっている。…っと、少し話がそれたね。でね、私の“物質”でも世界間を物単体で渡れるほどの物は作れないんだよ。それで、これは世界間での物品の転送を行うための装置。まあ、世界間物品転送装置だね。」
杏林は、気付いた。ランディが自身の“物質”でも世界間を物単体で渡れるほどの物は作れないと言っていることに。それが事実ならば、これは完成しない。
「ねえ、世界間物品転送装置は一度地球の拠点に運ばないといけないのよね?」
「うん?そうだよ。そうじゃないと使えない。」
「でも、貴女の“物質”でも世界間を物単体で渡れるほどの物は作れないって言ったわよね?」
「うん、言ったよ。だから、その問題をクリアするために、ディルたちが採集してきた“白牢”の“牢核”を使ったんだ。一個しかなかったから持っていく方にしかつけられなかったけど。まあでも、それをつけたから、一度だけ世界間を物単体で渡れるようになっている。あとは、地球の拠点に座標指定して、スレイマの“空間接続”で送り込むだけだよ。」
「分かった。でも、これをあっちに送り込んで、これで何を送ってもらうつもりなの?」
「資料。」
「あはは。…“空間接続”。」
ランディの簡潔な答えに、スレイマは笑った。そして世界間物品転送装置を地球へと送り込んだ。




