第35話 ダンジョンの終焉
*ダンジョン内部
ランディと杏林の前に佇むもの、それは直径20センチほどの漆黒の球体。それは、一般にダンジョン核と呼ばれているものだ。
「杏林。これがダンジョン核ってことでいいのかな?」
「ええ、そうよ。それにしても、漆黒は、初めて見る色ね。ダンジョンの種類によって違ったわけですし、あり得ないことでもないわね。でも、これで、4種類目のダンジョンということが改めて確認できたわね。」
杏林のその言葉に、少し気になったランディは問いかけた。
「ほかのダンジョンはどんな色をしてるんだい?」
「Type1は、青色。Type2は、黄色。Type3は、白色。」
「ダンジョン核を壊すとどうなる?」
「壊してから30分後に崩壊が始まる。ダンジョン自体はこの世界ではないところで作られているらしく、脱出できなければ、そのまま世界の狭間で死亡する。」
「それなら、ディルとスレイマにも伝えないとね。」
そういうと、ランディはスレイマに“空間通信”を繫げた。
「スレイマ、今からダンジョン核を破壊するから、急いで脱出してね。」
「わかった。…そういえば騎士団団長のエレッタ・トーランスは、どこにいるの?」
「「「え?」」」
「いや、初めにディルたちとこちらに来ていたでしょう?」
ディルが思い出したようにつぶやいた。
「ああ、そういえばそうだったな。よし、もう出てきていいぞ。」
ディルが声をかけると、ランディの背後から、エレッタが出てきた。ランディは、背後の気配に気づいて、とっさに後ろへ自動拳銃を向けた。
「あはは、私ですよ。ランディさん。物騒なものは仕舞ってください。…まさか最後まで気づかれないとは思ってませんでしたけど。」
「いつから私の背後に?」
「あなたがこのダンジョンに入ってすぐ、ぐらいですかね。」
「まあ、いいか。危害を加えられたわけでもないし。じゃあ、気を取り直して。発砲。」
ランディはエレッタに向けていた自動拳銃を漆黒のダンジョン核へと向け、発砲した。それと同時に、スレイマとディルは、地上に残っているセミアのもとへと転移する。ランディと杏林とエレッタは、銃弾がダンジョン核へと命中し、ダンジョンが崩壊を始めるのを確認すると、ランディが、スレイマたちを対象にして、“追跡転移”を発動させる。
地上へと転移して、30分もしたころには、ダンジョンは跡形もなく、その場から消えていた。ランディたちは、エレッタとセミアが用意していた伝書鳩で、それぞれストロディアと王宮へ事のあらましを書いた書状を送った。




