第33話 ダンジョン攻略4
*スレイマ&ディル
スレイマとディルは、7階層から引き返すように、索敵と探索を繰り返しながら順調に進んでいく。今はランディがいるので、ディルには索敵と探索ではすることがない。なぜなら、スレイマが“空間認識”で周囲3キロメートル圏内を索敵していく。そして、5階層で一か所、多数の生命反応がある場所を検知した。
5階層はジャングルのように大木が乱立しており、さらには木と木の間には蔦が張り巡らされている。こういう無数にある大木の中が、たまにくりぬかれていたり、蔦が幾重にも重なって、壁のようになり部屋になっている場所もいくつか発見した。その中の一つに、1メートル四方の白い立方体があった。見たこともない幾何学模様の魔法陣がいくつも箱を覆うような形で、重なっていた。
「ディル、この中にとんでもなく怪しいものがあるんだけど?」
声をかけられたディルは、その中を覗いてみる。
「ふむ?どれどれ……これは“白牢”だね。」
「“白牢”?それ何?」
そんな言葉を聞いたことがないスレイマは、思わずディルに尋ねた。
「“白牢”とは?この世界のダンジョンの隠し部屋などには時折、見かけるものだね。“色牢”の一つさ。“色牢”ってのは、いくつか種類があってね、色によって生み出すものが違うんだ。例えば、この“白牢”なら、大きさは3等級か。大きさによってクラス分けされている。例えば、1メートル四方の立方体なら3等級、3メートル四方の立方体なら2等級、4メートル~10メートル四方の立方体なら1等級、それ以上なら特級。そのうえで、これは“白牢”だから、魔物を無限に増殖させるタイプのものだね。」
「ふーん、色によって生み出す魔物が変わったりするの?」
「いや、魔物を生み出すのは“白牢”だけだ。でも、大きさによって何種類までの魔物を作れるかが決まってくるし、魔物の強さも変わってくる。一つだけ言えることは、これはさっさと壊さないとやばいってことだけだね。」
「了解、じゃあ壊すね。っと、その前に、まずは、はびこっている魔物のお掃除が先かな?“空間圧縮”」
スレイマは、魔物を爆ぜさせると、次に、“白牢”を握りつぶした。そうして、後に残ったのは直径10センチメートルほどの、白い球体だった。
「ねえ、これ何?」
「ああ、それは“色牢”を破壊すると、必ず出てくるドロップアイテムでね、“牢核”っていうんだ。それはいろいろなものの材料になるから、ギルドで売却すれば、かなりの金額になるよ。」
「いろいろなものって例えば?」
「うーん?手っ取り早いものだと武器とかを作成するに付与すると、もともとできる予定だった武器のランクが2~3段階ほど上がるかな。」
「そうなんだ。じゃあ、ランディにお願いして、専用武器を作ってもらってそれに組み込んだ方が使えそうだね?」
「ああ、そういえばランディは武器も作れたね。うんうん、帰ってみたらお願いしてみなよ。作ってもらえるかもしれないし?」
「そうだね。」
スレイマがランディに依頼して武器を作ってもらう際、ランディが別の利用法を発見して、ダンジョンを潰しまくろうとしたのは、別の話である。ただ、スレイマが言うには、お願いすることよりもランディを止めることの方がいつもの100倍以上の労働だったと話していた。




