第29話 ダンジョン攻略1
*サーレイド王国&フェステル帝国国境ダンジョンーType4:魔物暴走型
ダンジョン内部の様子は、普通は外部からわかることはない。新しく生まれたダンジョンであればなおさらだ。だが、何事にも例外は存在する。このダンジョン内部には、すでにディル・ジル、杏林風花、スレイマ、そしてサーレイド王国騎士団団長であるエレッタ・トーランスが内部の攻略へと乗り出しており、今、第2層にいる。そして、今まで攻略した正規ルートは、第1層にいるスレイマの“幻影分身”がスレイマ本人から“幻影伝達”により攻略情報を受け取り、はっきりとわかる地図も作成されている。それから、第1層はひたすらに入り組み、行き止まりはそこそこ強力な魔物ー推定E~Dランク。第2層は初めは広間と通路、奥へ続く通路には無数の小部屋がある。ランディは、“空間”の“追跡転移”で対象をスレイマに絞り、スレイマの居場所ー第2層の広間へと転移した。
「どんな感じかな?スレイマ。」
突然後ろから声をかけられたスレイマは、警戒し後方へ自動拳銃を向け相手がランディだとわかると、警戒を解き、銃を下す。
「ランディか。今現在、ディルと風花は奥に無数にいる魔物を殲滅中。私は、ランディが来るまでここで待機して、あの二人の攻撃から逃れた僅かな討ち漏らしが地上へ出ないように、ここで、倒してた。」
なるほどと、ランディは納得する。ついでに問いかける。
「私が来たら、どうしろって?」
「ランディが合流後、一緒に奥へ進んで制圧しなさいって。ちなみに、奥にはたくさん小部屋があって、その中に魔物がいるのといないのがあるから、探索しながら掃討中とも。魔物のランクは推定C~Eランク。」
なるほどと、ランディは納得する。
「この作戦、考え付いたのディルでしょ?」
スレイマは、ランディが行ったことに驚いたようで、問いかけた。
「驚いた。なんでわかったの?」
その問いに、ランディは珍しく長文で答える。
「だって、まず杏林は、一対一で、殲滅向きじゃない。だとすると、殲滅するのはディル。かといって、ディルがここで殲滅するにはいくつか広間もあったけど大抵の通路が幅5メートル、高さ3メートルで、大型の契約魔獣は喚べない。だから、喚び出すとしても小さくて殲滅力のある契約魔獣。でも、そんなのはそこまでいない。強いて言うなら、七王世界の食王ぐらい。だから、そいつに、大多数の弱い魔物をある程度殲滅させて、極少数の強い魔物を杏林に流す。そして、杏林が、ディルから流されてきた個体を斃して、あの二人の攻撃を受けて生き残ったもしくは彼らが取りこぼした極少数の魔物をこの場に残っているスレイマが斃すっていうふうになってるんでしょ。私が、入れなくならないように。そして、彼ら自身の退路が断たれないように。で、私が来たから、もうここを守る必要はなくなった。だから攻撃へ移行する…と、こんなところでしょ
う?」
それを聞いたスレイマは。
「驚いた、全部貴女の言う通り。」
「じゃあ、奥へ進もうか。そして、杏林とディルに合流しよう。」
そうして、ランディとスレイマはダンジョンの奥へと進んでいった。




