第28話 死人形の脅威
*サーレイド王国&フェステル帝国国境ダンジョンーType4:魔物暴走型
ランディが“空間”で跳んだ先は、報告では、スタンピード直前のダンジョン前。そこにはすでにリーナレック・ストロディアとセミア・フェルストがいた。ランディを見ると、リーナレックが声をかけてきた。
「もう、アルデフォードを殺してきたのかな?」
その問いかけに、ランディは淡々と答える。
「まだ、殺してはおりません。ですが、いつでも殺せる状態にあります。」
そういうと、ランディは“空間”に仕舞っていた実物大アルデフォード人形を取り出す。
「これは?」
「見ての通り、アルデフォードの実物大人形です。もちろん、死神弐式装備其の七SSランク死人形に取り込んだものですが。」
「じゃあ、これは、動かないアルデフォード本人ということかい?」
「いいえ。言ったでしょう、死神弐式装備と。“死人形ー投射”」
すると、アルデフォードがルンルンと鼻歌を歌いながら普通に歩いている様子が、空中に映し出された。
セミアは、一応質問してみた。
「これは、今のアルデフォードの様子…ですか?」
「うん、そうだよ。」
たいして動じたようでもないランディの物言いに、セミアはまた、質問する。
「これだけのものですか?」
「そうじゃないよ。でも、これは実際に体験してもらった方が早いかな?セミア、この人形の…そうだねぇ、右手を剣で斬ってみて。」
いとも容易く、セミアは剣をふるい、そして人形の右手首から先を斬り落とす。すると、不思議なことに空中に映し出されたアルデフォードも、右手首から先が落ち、悲鳴を上げ始める。
その様子に、セミアは顔を青褪めさせた。
「これって…本当に斬れてるんですか?」
「うん、そう。こんなふうに遠隔で相手を殺せる武器だよ。どれだけ離れていようが、ね。でも、斬り落としたことで、血が出ることもないから汚れずに殺せる。それに、本人が死んだときには、この人形自体が灰となって消えるから、すぐにわかるんだぁ。あとはねぇ、斬り落とした手があるでしょ。これはこちらからも制御できてね。映像を見てて。」
そういうとランディは、斬り落とされたアルデフォード人形の右手を持ち上げて、そのまま人形の首に持っていく。そして、アルデフォード人形の右手でアルデフォード人形の首を死なない程度に絞めた。すると、映像ではアルデフォードの右手は、空中に浮かび、そして、アルデフォードへと近づいていき、彼の首を絞め、気絶させた。
「うんうん、いい感じだね。死なない程度に絞めれたよ。」
そういうと、ランディは、アルデフォードとエレッタの方へと向き直り、嗤ったのだった。




