第21話 戦争前夜
*セイルフォン平野サーレイド王国陣
セイルフォン平野の両側に張られた無数の天幕。北がフェステル帝国、南がサーレイド王国の陣だ。現在、サーレイド王国には50の貴族がいる。王国軍は王宮が常に動かせる兵力として25万、それぞれの貴族から5000ずつ集めて25万、合計して50万の兵が集まっていた。天幕には50万の兵とその指揮官フィル・ジモン公爵がいた。それに加えて、ストロディアから派遣された兵である4名、ランディ、スレイマ、ディル・ジル、杏林風花がいた。作戦としてはまず、この4名が帝国軍の数を減らし、残りを王国軍が、相手をする形となっていた。
今、指揮天幕にいるのはフィル・ジモン公爵、ランディ、スレイマ、ディル・ジル、杏林風花だ。
「私は、フィル・ジモン。この戦争で王国軍の全軍指揮を任されたものだ。よろしく頼む。こちらは、あなた方のことを知っているので自己紹介の必要はない。始めにあなた方が敵の強者、それと数を減らしてくれた後にこちらが仕掛けるというのは変わってはいないので、あとはあなた方で話し合ってくれたまえ。」
そういうと、フィルは口を閉ざし、黙ってランディたちの話し合いを聞き始めた。
「じゃあ、初めに帝国軍の数を減らすということだけど、まずはこの僕、ディル・ジルが契約魔獣で攻撃を仕掛ける。その後、スレイマはまずSランクの煌鍠の守り手を王国軍に発動してくれ。ランディはSSランク棚録の神衣、不貫の防護鎧を装備したうえで聖光の守り手を発動してくれ。あとは自由に動いてくれて構わない。ただし、SSランク死神の全録、死神の狂乱は使わないでくれ。あとは、全軍指揮をするフィル・ジモン公爵にSランク蒼天の眼を貸してあげてくれ。その方が全軍指揮もしやすいだろうから。杏林は、僕が契約魔獣で攻撃した後、敵の強者を潰していってくれ。以上、何か質問は?」
杏林が口を開いた。
「私は、Sランク宝竜刀を使っていいかしら?」
「かまわないとも。他には?」
フィル・ジモン公爵が口を開いた。
「私に、Sランク蒼天の眼を貸して頂いても宜しいのですか?」
「もちろん、その方が役に立つでしょ。・・・ランディ、使い方を教えてやってくれ。」
「了解、ばっちり仕込むよ。」
さすがは、公爵というだけあって、呑み込みが早くすぐにSランク蒼天の眼の使い方をマスターした。
そうして夜は、明けてゆく。朝になるころには全員睡眠をとったうえで、王国軍、帝国軍ともに陣に布陣していた。




