第16話 生命進化銃シュレピタルの性能実験
*ランディ・スレイマ
ランディとスレイマは、SSランクの生命進化銃シュレピタルの性能実験のために比較的魔物が多く出没する王国南に広がるアルセンタ荒野へと来ていた。ここに出る魔物は強いものでワイヴァ―ン、弱いものでオーガという冒険者でいうS~Dランク相当の魔物が出現する。運がいいのか、悪いのか、さっそくワイヴァ―ンを発見した。ちなみに、ここまでたどり着く前にスレイマは、大量の魔物を倒したため“自然”の異能力が“生命”に進化していた。これで、生命核が見れるようになる。
生命核とはこの世界に来て間もないころ、ランディたちが情報収集の一環で、偶然得られた情報であった。生命核は、この世界で生きる、魔物、人間、亜人などすべての種族が普通は1つ持っているもので、その生命核を破壊されると、死に至る。あらゆる生命の源なのだ。ちなみに、ランディのSSランクの生命進化銃シュレピタルは、倒した相手の生命核を喰らい、無限に進化する銃である。この銃でいくらか倒したおかげで、もともと6発装填のピストルが、5発装填のスナイパーライフルまで進化していた。
ランディのSSランクの生命進化銃シュレピタルは、倒した相手の生命核を喰らい、無限に進化すること以外にもう一つ、特徴を持っていた。それは、弾丸に異能力を込めることができるのである。
「スレイマ、援護して。」
スレイマは手慣れた様子でワイヴァ―ンから1キロメートル離れたランディに、ワイヴァ―ンの生命核の場所を伝える。
「了解、首の付け根としっぽの先の2か所だよ」
「2か所?へえー、珍しいね。まあ、いいや。」
ランディはスナイパーライフルのスコープを覗き、まずはしっぽの先を狙う。こういう、生命核が2つある魔物や生物は、大体、横から体を半分に割って右と左に生命核があり、右の生命核を破壊すると体の右側が、左の生命核を壊すと体の左側が全く動かなくなる、もしくは完全に死ぬ。このワイヴァ―ンは、運のいいことに今現在、陸に留まっており、ほとんど動いていない。せいぜい周囲を見回して、敵がいないかを確認する程度だ。ワイヴァ―ンが陸にいるときの索敵範囲は大体半径800メートルだ。ランディたちはワイヴァ―ンの索敵範囲にぎりぎり入っていない。ワイヴァ―ンが移動しないうちに、しっぽの先の生命核を撃ち抜いた。
「破壊できてる?」
「命中。完全にしっぽの方は破壊されました。」
少し遅れてワイヴァ―ンの、威嚇とも、悲鳴とも受け取れる鳴き声が響いた。
「少しうるさいなあ。」
この現状を生み出した張本人にもかかわらずそんな口を利くランディ。そして、ワイヴァ―ンに気づかれないうちに、次は首の付け根の生命核を爆発する物質を込めた弾丸で撃ち抜く。見事にワイヴァ―ンの首から上が木端微塵になった。
「強すぎたかな、でもこれぐらいなら死神Ⅲ式装備として申し分ない性能だね。」
そんなことを言いながらランディとスレイマは、王都へと転移した。今回の成果である、ワイヴァ―ンの死骸をスレイマの“空間”に収納して。




