第14話 宣戦布告と戦争準備
*ランディ・スレイマ
そういえば、と思い出したようにデイランド・サミスト・サーレイドは問いかける。
「先ほど、君たちは”彼ら”と言ったな?」
その問いに答えるのはもちろん、ランディである。
「ええ、言いましたよ。それがどうかしましたか?」
「ストロディアの造反者以外にも人がいたのかね?」
その問いにランディは、しばらく考える様子を見せ、答える。
「ええ、いましたよ。隣国であるフェステル帝国の紋章が全身鎧の右肩と大盾の中央についた者たちが100名ほど。」
なんということだと王は頭を抱える。
「フェステルの紋章が全身鎧の右肩と大盾の中央についた者たちだと?それが事実ならば、そいつらは恐らく、フェステルの王族直下の正規軍…。その百名が、全員最低でもDランクの自動拳銃の装備とは…。この国の一般的な兵士のほとんどはEランクだぞ…。この中にCランク以上の装備を持つ者はいるのかね?」
その王の問いに幾名かが手を挙げる。ランディとスレイマ、それにリーナレックだ。
「私は、最高でAランクの覇王の狂装という全身鎧に刀を持っていますが、あいにくとデメリットが多く、積極的に使おうと思える代物ではありません。」
リーナレックは答える。
「私は、最高でSランクの煌鍠の守り手という手甲を持ってるよ。デメリットはないね。ちなみにそこにいるランディが“物質”で作った。」
スレイマのその答えにその場にいた者たちは、スレイマに視線を向けた後、ランディに驚きを孕んだ視線を向けた。
「ということは、貴女も何か強力なものを持っているのでしょう?」
サーレイド王国騎士団団長であるエレッタ・トーランスのその問いに、ランディは別段動じた風もなく、ただ、何でもないというように答えた。
「うん。持ってるよ。私が持っているのは、最上位SSランクの鍠双対刀メリスカス。その名の通り2本でセットになっている。一度も使ったことはないけどね。これを抜くほどの強者にあったことがないから。ちなみにこれは、私が作った。“物質”の権能の一つ、“狂武器作成”でね。ちなみに、スレイマの煌鍠の守り手もこの権能で作った。まあ、アルデフォードと戦うには、もう一つぐらい切り札が必要かな?それもSSランクの鍠双対刀メリスカスと同じぐらいもしくはそれ以上の性能の物が。」
ランディが何気なく放ったその言葉にその場にいたものはスレイマとリーナレック以外は青褪めた。
リーナレックは問いかける。
「それを作成するのにどれぐらいの時間が必要かね?」
ランディはその問いに考えながら答えた。
「うーん。君たち王国軍の装備は、スレイマが煌鍠の守り手を使えば、2ランクは上昇するからCランクだから問題ないとして、私の装備は一週間で完成するかな?」
「確実かい?」
「もちろん。…邪魔が入らなければね。」
誰もがその会議が終わると考えたころ、王国の入り口となる高楼門に詰めていた門番があわただしい様子で会議室へ駈け込んできた。
「報告です!!」
「何事だ!!」
国王の言葉に一瞬もひるんだ様子はなく淡々と事実を述べた。
「フェステル帝国の騎士が一個小隊30名で宣戦布告の旨を書いた書状をこちらに渡してきました。」
「始まりはいつだ?」
「一月後、王国と帝国の国境となる東のセイルフォン平野です。なお、その戦争には造反者”生命”のアルデフォードも含まれているということです!!」
その報が入ったその日のうちに、作戦会議が開かれた。




