第13話 造反者と報告
*ランディ・スレイマ
ランディとスレイマは王城にいた。この場にいる者は、ランディとスレイマを合わせて7名。まずは、サーレイド王国国王デイランド・サミスト・サーレイド。次にサーレイド王国騎士団団長であるエレッタ・トーランスとサーレイド王国騎士団副団長であるセミア・フェルスト。そして、サーレイド王国神官長であるセインシア・フランソワ。さらには、秘密結社ストロディア、サーレイド王国本部の長であるリーナレック・ストロディア。彼ら王国の様々な場所、組織において頂点に立つもの、もしくは、それに準ずる地位を預かる者たちが一堂に集まっていた。
しばしの静寂ののち、やがて口を開くものが現れた。サーレイド王国国王デイランド・サミスト・サーレイドだ。彼は、そのままランディとスレイマに問いかける。
「一応聞くが、ダンジョンは討伐できたのかね?」
その問いに、ランディは別段、動揺した様子もなく答える。
「討伐を優先したかったのですが、少し問題がおきましてね。」
その答えにまたも、国王デイランド・サミスト・サーレイドは問いかける。
「何があったのだ?」
その問いには答えてよいものかとランディは、リーナレックに問いかける。
「よいですか、リーナレック様。」
リーナレックは、何のためらいもなく答えた。
「彼らには、話しても構わない。私から造反者のことは伝えてるからね。」
「では。事の次第を追って説明いたしますと、まず、ストロディアを“生命”のアルデフォードが裏切ったのが、始まりです。私たちは、王国よりの要請通り、北のダンジョンに出向きました。ですが、そこには何もなかったのです。」
「何も無かっただと?それはどういうことかね?」
「その質問に答える前にいくつか聞いておきたいことがあるのですが…。まずは、リーナレック様、“生命”のアルデフォードは、“空間”もしくは“幻”を完璧に使いこなすことはできますか?」
その質問にリーナレックはしばらく考え、答えた。
「奴が完璧に使いこなせるのは、私が把握している中では、“生命”だけだね。“空間”も一応、使えてはいたけれど。」
「では、造反者は“生命”のアルデフォードのみですか?」
「実をいうと、君たちの前にも何名か送り出したのだが、送り出した5名は帰ってきておらず、その中には、“空間”を窮めた者もいる。…恐らくそいつだろう。」
「そうですか。ダンジョンの入り口は、恐らく、“空間”によって、周囲にカモフラージュされていました。」
「だが、君たちが帰ってきたということは、何かしらの情報もしくは成果を持ち帰ってきたのだろう?」
「ええ、率直に言いますと、まず、あのダンジョンは武器を生み出すダンジョンです。そして、発生してからすでに、最低でもひと月は経過している。」
「何を根拠に?」
「彼らはすでに最低でも武器ランクDの自動拳銃を装備していました。」
この世界の武器にはランクというものが存在する。武器ランクは高い順に、SS、S、A、B、C、D、E、F、Gだ。
例えば、サーレイド王国に一般的な騎士が所持する剣に盾、全身鎧は、Eに相当する。上のランクになっていくほど数は少なくなるが、一応、ランディの“物質”で作る武器は最低でもCランクに相当する。一応、ランディは、最上位ランクのSSランクの武器を持っていたりする。…使うほどの相手に遭遇したことがないため、一度も使ったことはないが。
「戦争になると思うかね。」
デイランドのその問いにその場にいたものは声をそろえてこう答えた。
「「「間違いなく。」」」




