第12話 調査と遭遇
*ランディ・スレイマ
ダンジョンの調査のために王国北東部シーレイ森林に入ったランディとスレイマは、そのまま森の中心部へと進んでいく。中心部へたどり着いても何もなかった。
「あれ?ここにあるんじゃなかったの?ランディ」
「そのはずだよ。ランディ。…ちょっと待って。“空間認識”を使ってみるね。」
そして、スレイマが“空間認識”を使い始めて10分程度が経過した。
ランディも一応、“空間”は使うことはできるが、悔しいことにスレイマの方が使い手としては上位で“空間”においては最強クラスである。だから、10分程度で周りの半径1000メートルまでの範囲ならかなりの情報を“空間認識”で読み取ることができる。
「見つかったよ。」
「どこに?」
「今、ランディが立っている場所。そこから2メートル進んだところに入り口となる両開きの扉がある。…“可視化”」
スレイマが“空間”の“可視化”を使ったおかげで、ランディにもダンジョン入り口の両開きの扉が見えるようになった。片側の扉を開く。と、そこでスレイマから制止の声が飛んだ。
「どうしたの?」
「扉を開けてすぐに致死性の罠が作動する。だから、私が開ける。」
「了解。」
スレイマは“空間干渉”で、扉を開くと同時に“空間隔絶防御壁”を展開した。すると、内側から点火済みの手りゅう弾が天井から落ちてきて、地面で爆発した。そして、おそらく地面には爆薬が敷き詰められていたのだろう。地面が手りゅう弾によって誘爆して、大爆発が生じた。だが、ランディたちは“空間隔絶防御壁”のおかげで無傷で済んだ。奥の一本道からコツコツとこちらへと近づいてくる足音が聞こえた。その足音の主はランディたちを視認した。
「おやおや、普通に死ぬ威力だと思ったんだけどなぁ。」
そんな声で、こちらに語り掛けてきた。
ランディとスレイマは、小さく呟く。
「「造反者。」」
どうやら聞こえていたようで。
「あ~、ばれちゃったか。うんうん、さすがにばれるか。じゃあ、改めまして。僕は、“生命”のアルデフォード。よろしくね。」
いつの間にか、アルデフォードと名乗った造反者の後方には100人程度の騎士がいた。紋章を見れば隣国のフェステル帝国の騎士。
「なぜ、フェステル帝国の騎士がここにいる?どうやって国境守備隊の目をかいくぐって入国した?」
「どうやって?簡単なことだよ。まずここに僕が入って座標指定の空間石を置いた。次に、フェステル帝国に“転移”で飛んで、騎士たちをここに送り届けた。そして、ここを攻略して騎士たちの装備を最低でも自動拳銃にまで引き上げた。」
すぐさま、不利とみてランディとスレイマは、サーレイド王国王都へと転移によって撤退した。




