5話:突然。
ラジオ会館にやってくるとまず最初に行く店は「あ○あみ」だ。
最初からフィギュアをみて癒される戦法である。
「えーっと、一万円…買い。えーっと三万円…たけぇ」
こうやって選別をしていく。
「ねぇ、大雅、もうK○Books行ってていい?もうここ周り終わった〜」
真美は飽きたような顔をして、真剣に嫁を選んでいる俺に話しかけてくる。
いつもアキバに一人で行っている身としてはとっととどっかに行って欲しいというのが本音である。
「わーったよ、今終わらせるからそこで待っててくれ」
「はーい」
俺は偉いのですぐ終わらせる方向で行動する。
えーっと、今回の持ち金は5万と。
今カゴに入っている嫁は3人。全員一万円弱である。
残り一万強。うーん。
買い。
俺はささっとレジに並び、ぱぱっと会計を済ませる。
「終わったぞ、あれ、あいは?」
「あいちゃん?そういえばどこ行ったんだろ」
「お前、ちゃんと面倒見ておいてやれよ」
「だって、ずっとフィギュアみて『なんですのこの彫刻は、!すごい技術ですわ、、きゃぁかわいい』とか言って土下座してるから、あーこれ離れといた方がいいやつだと思って…」
あいつ、、やってんな(人のこと言えないくらい自分も興奮していました)
「じゃぁ、あいつ探してK○Booksいくぞ」
そう言った瞬間
「あ、あれ、あいちゃんじゃない?」
真美はあいらしき人に指を指す。
あ、あのはぁはぁ言ってるやつがもしかしてあい?あー、近寄りたくねぇー。
と言いながらも近づいていき話しかける。
「あい、もういくぞ」
すると鋭い目で俺を睨みつける。
「あ?今嫁みてるんだよ、邪魔すんな」
あれー?あいちゃんじゃなかったー?いやでも、この服装、顔の特徴…あいだわ。
「あいちゃーん、もう行こう?」
真美もあいに話しかける。
「あ、真美様、私もこの彫刻欲しいですわ」
あれ、おっかしいな、なんかやけに俺と態度がちげぇじゃねぇか。
「どれどれ、いくら?」
「50000と書いてありますわ」
「「たっけぇよ!!!」」
俺と真美は二人同時に叫ぶ。
「そうですの?この世界のお金の単位がよくわからないですの」
「一万円くらいにしておk…」
俺がそう言いかけた途端、あいはいきなり真剣な顔をして黙り込む。
「おい、あいどうした?」
「あいちゃん?」
どうせまた二次元の女の子たちが可愛すぎるとか言い始めるんだろうと思っていた。
しかし、違うようだった。
「東京湾に1時間後、震度6強の地震が来るわ…!」