表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

3話:腐女子、俺の家に降臨

「私と、契りを、結んでちょうだい!」


そんな爆弾発言を鵜呑みにできるわけがなく、とりあえず落ち着くことにした。


「そうだ。俺、今日大学の授業ないから、こっちの世界の買い物行ってみるか?」


俺は紛らわすためにそう言う。


「いいけど、私は自衛隊と警察にねらわれてるのよね?大丈夫なの?行っても、、」


たしかに、こいつは地震を起こしている容疑者として捜査されているから、街で見つかったら即逮捕だ。でも待てよ、ゴスロリで目立ってるから怪しまれるんだよな、ってことは服を着替えればいいんじゃないか?


「お前、着替えとかって持ってるか?」


「もってるには持ってるけど、コンビニで買った下着くらいだわ」


まじで、よくここまで生きてこれたな。つくづく感心させられるぜ。


「まってろ、今女友達に着替え借りれるか頼んでみるから」


あいは意外そうな目で俺をみてくる。


「あなたみたいな人に女友達なんているのね、意外だわ」


こいつ、うざいかもしれない。あは。


「お前なぁ、俺にだってそりゃいるぞ。ほら今電話するから、待ってろ」


「で、ん、わって、なに?」


あ、そっか。こいつ知らないんだった。


「この物体越しに離れた相手と話ができる優れものだ!」


あいは感動したような顔をする。


「そんな機械あったら私の世界もすごく便利になる、って考えると科学って本当にすごいわね。まぁ、私たち魔術師はテレパシーが使えるからいいのだけれど」


いや、絶対そっちの方が有能。


そんなこと話している場合じゃない。とりあえず俺の女友達、佐倉真美さくらまみに電話をかける。あいつは俺と同い年で、高校時代からの友達。一緒に函館から上京してきた。ついでに言っておくと腐女子だ。今は漫画家になりたいだの言って専門学校に行った。描いてるジャンルはもちろんBL。


電話が繋がったようだ。


「もしもし」


『どうしたのこんな朝早くから。たまたま今日は学校休みだったからよかったけど』


「お前の服を貸してくれ」


『あんた、ついにそんな趣味までに手を染めたのね。きっも』


「んなわけねえだろ!まあ事情は順を追って説明するが、最近ニュースで話題のゴスロリ美少女が俺の家にいる。大丈夫だ。地震を起こしているのはこいつじゃない。まあそれはいいんだ、こいつゴスロリと下着しか持ってないから、街中歩いたらすぐ自衛隊とか警察に見つかる。それを回避するために女物の服を貸して欲しいんだが、持ってきてもらってもいいか?」


『まあ、いいよ。あんたは嘘つく人じゃないし、信用してるつもり。持ってってあげる。まあ本音を言うと、私もゴスロリ美少女と会ってみたいしぃぃぃぃぃ!』


こいつ、信用とかなんもなくてただ、あいに会いたいだけだろと思った俺がいた。


「ありがとう。今すぐきてくれると助かる」


『りょ』


「話が早くて助かるぜ。じゃあまた後で」


電話を切る。


真美は学校が高田馬場にあり、また腐女子ということもあるため池袋周辺のアパートに住んでいる。


池袋から山手線で新宿まで行って、京王線の特急で10分ほど乗ったら調布だ。


まあ適当にめざ○しテレビでもみてゆっくりするか。


そして一時間後、ピンポンとチャイムが鳴る。真美のようだ。


「ん、持ってきたよ」


キャリーケースで来てくれた。


「おぉ!ありがとな!あ、紹介するよ。こいつはアイネ・ガルシア、略してあいって呼んでやってくれ」


「えーっと、よろしく、」


あいは真美に挨拶をする。人見知りなのだろうか、少し緊張している様子だ。


あれでもまって、俺と初対面の時は緊張してなかったよな。え、なんで。


「よろしくね!あいちゃん!ところでそのアイネ・ガルシアって、ハンドルネーム?かっこいいね!」


あいはきょとんとする。


「はんどる、ねーむ?なにそれ」


「おい真美、これは本名だ。こいつ、異世界人なんだよ」


「え、えぇぇぇぇぇぇぇ!?」


おれはこの後、全てをしっかりと説明した。


「そういうことだったのね、だから地震が起きてるってわけだ」


「そういうことだ。だからこいつを責めないでやって欲しい」


「当たり前じゃん、最初から責めるつもりはなかったよー。そういえばあいちゃん、大雅のやつ、変なことされてない?大丈夫?」


こいつまじでつぶす。


「おまえなぁ、、」


と俺が言いかけると同時に、あいがかぶせるように言う。


「大丈夫よ。何もないわ。強いて言うなら、大雅と、その、えっと、契りを結ぶことになったといいますか、」


「てめぇ話を紛らわしくすな!」


「だってぇぇ」


すると真美が驚きを隠せない顔で俺を凝視してくる。


「おい真美聞いてくれ、これにもいろいろ事情があってだなぁ、あと結ぶなんて一言も言ってないから!まじで!」


「へぇ、そうなんだ。別にいいんじゃない?勝手に結んどけば?」


なんで不貞腐れてるのこいつ。


「ふーん?」


なんであいはなんか分かったような顔してるの??


「まあいいや。真美、服を貸してやってくれ」


「あ、そうだったそうだった」


真美はキャリーケースを開けて服を出す。


あ、大丈夫かな。普通にパンツとかブラとか今見えたんだけど。


真美はキャリーケースを開けた刹那、またキャリーケースを閉じて俺を殴り飛ばしてきた。


「てめぇ、まじで殺す。死ねば?てめぇに生きる価値なんてねぇんだよ」


いや、辛辣すぎて泣く。


「今のは不可抗力、、、」


「うっせぇ、さっさとここから出てけ!」


俺の家はワンルームなので外に追い出される。


「ここ、俺の家なんですけど、、」


俺はポツリと呟いた。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ