修行6 レベリング3日目
短めです。
今日から毎日投稿出来たらなんて思ってます。
でっかい熊に殺されかけた次の日、しっかりと寝た俺はトアと作戦会議をした。
《今のままでは勝てませんが幸いあと5日あります。5日後に倒せるように鍛えていきましょう》
《ああそうだな。ダメージが入らないわけではないからな。魔法のレベル、特に上級魔法と古代魔法のレベルを中心に上げていこう。近接戦も鍛えたいな》
《古代魔法が一番確実かと。それと武器を使うのでしたら体格的に短剣が良いかと思われます》
《短剣があいつに効くと思うか?》
《効かないですね。それでも受け流すのには十分かと》
《攻撃用じゃなくて防御用か》
《はい。エンペラーベアーは爪による近接攻撃のようですので受け流すのが今できる最大のことかと》
《それじゃあ4日間はひたすら特訓だな。よろしくなトア》
《はい、マスター》
今後の方針が決まったところでフィーネが起こしに来た。
「おはようございますロザリオ様」
「ああ、おはよう。テオ兄さまは?」
「食堂で待ってますよ」
「わかった。着替えたらすぐ行くよ」
着替えを急いで済ませ食堂へと走って行く。
「遅くなりました。ごめんなさい」
「おはよう、リオ。よく眠れたかい」
「はい。死にかけ…怖い夢を見てしまいましたがぐっすり眠れました」
「大丈夫だったか。何なら今夜は一緒に寝るか」
「いえ。大丈夫です」
「そうか」
テオ兄さんの悲しそうな顔をみて胸が痛んだが一緒に寝たら抜け出せなくなるのでここは我慢だ。
「なら私と寝ましょうか」
「……大丈夫です」
めちゃくちゃ寝たいがここは我慢だ。間が開いたせいでテオ兄さんが涙目になっている。あ、こらフィーネドヤ顔するな。やめてやれ。テオ兄さんのライフはもうゼロよ。
朝食を早く済ませて部屋に戻った。
《この後はどうする?》
《まずは短剣を探しましょう。武器庫などがどこにあるかわかりませんので午前中は短剣の探索と練習、午後は読書と睡眠でどうでしょうか》
《わかった。それで武器庫だが誰かに聞いた方が良くないか》
《それならテオ様とフィーネさん以外の方に聞いた方が良いかと思います》
《なんでだ》
《ほかの方になら3歳の子供の好奇心で押し通せると思いますがお二人には止められると思います》
《誰ならいいと思う?》
《騎士の方かほかのメイドの方になら何とか出し抜けると思います》
《出し抜けるって。でも騎士は連れて行ってくれるか?》
《それならメイドにそれとなく聞いてみるのが良いかと》
部屋をでて俺はメイドを探して歩いていた。言葉だけ聞くととやばいな俺。
そして見つけたメイドに聞いたところ俺がいつも忍び込んでいる父の書斎の隣の部屋だそうだ。なんか聞いて損した気分だ。
誰にも見られていないことを確認した後に武器庫へと入っていく。
中は少し埃っぽくそれなりには片付いているものの長年使われていないことがうかがえる。中には壊れた剣や鎧もあることから恐らくここはいらないものを入れておく倉庫だろう。
《はずれっぽいがさすがに短剣くらいはあるよな》
《見たところ手入れはされていないですが使えなくはないかと》
《……お…い》
《こっちは壊れたやつだな》
《おい……む………る、な》
《こちらは長剣や大剣のようですね》
《おい、わら…を…しす……》
《この箱の中じゃないか》
《おい、いい加減妾を無視するのはやめい!》
《うお、びっくりした》
急に頭の中にトアとはまた違った女の人の声が響いた。
《まったく。あれだけ呼びかけていたのに無視するなんて。妾を無視するとはいい度胸じゃの》
声ははっきり聞こえるが武器庫もとい物置には俺しか居らずほかに人は見当たらない。
《マスター、恐らくあれではないかと》
そうトアが言った先には一振りの片手直剣が立てかけられていた。
《もしかしてこの剣か》
《やっと妾を見てくれたのう》
《あー、なんだ。もしかしてこの声はお前か?》
《いかにも。妾こそ世界に一振りしか存在しないメタモルインテリジェンスソードである。存分に敬うがよい》
高笑いしている?剣に警戒心を高めているとトアから鑑定をしてみろと言われて目の前の剣?鑑定をしてみた。
《名前》 メタモルインテリジェンスソード
《年齢》 10000
《種類》 メタモルインテリジェンスシリーズ
《スキル》
変形Lv.1(片手直剣 短剣)
不壊
自動修復
斬撃強化
持ち主固定
持ち主:ロザリオ・シール・クラウン
これまたツッコミしがいのある内容だな。メタモルインテリジェンスってなんだよ。しかも勝手に持ち主にされてるし。
メタモルインテリジェンスシリーズに鑑定をかけてみる。
メタモルインテリジェンスシリーズ
ドワーフのSS級鍛冶師クーロン・アッカーマンによって生み出された装備シリーズの総称で、剣、盾、杖、鎧、槍、弓がありそれぞれに応じた変形をしインテリジェンスウェポンとしての機能もある世界最高峰の武器の1つとも呼び声の高いシリーズ
なんとも都合のいい武器だな。
《それでお前のことは何となく分かったがどうして俺を主にしたんだ》
《一目みてビビッと来たのじゃ。それにお主はおそらく転生者じゃろう》
《そんな適当でいいのかよ。それはそうとなんで俺が転生者だと?》
《ガキがこんなに賢いわけないじゃろ。お主は見るからに人間じゃから見た目相応の年齢というわけだ。それなのに一端の武人のような雰囲気を漂わせて負ったからのう》
《だから勝手に持ち主に設定したと》
《そうじゃ。感謝せいよお主。妾のような崇高なものを装備できるのは極限られた者のみなのじゃからな》
《じゃあいいです。いりません》
《……え?》
《いや、何か偉そうだしうるさいからいらないかなって》
《マスター、武器としての性能は問題ないかと。性格は我慢すれば済む話ですので》
《いや、でもなー》
トアといるいらない会議をしていると
《う、うぇーーん、いやじゃいやじゃいやじゃーーーーー》
泣き出してしまった。
《なーかせたなーかせた。せーんせいに言ってやろー》
おい。お前もさんざんディスってただろ。
《一人がさみしかったからついつい調子にのってしまったのじゃー。謝るから妾も連れてってたもー。》
《ガキか》
《何でもするのじゃ。だから妾を連れてってたも》
《私からもお願いしますマスター》
《はあ、わかったよ。これからよろしく頼むぞメイ》
《ああ、感謝するのじゃお主。してそのメイとやらは妾の名前かえ》
《メタモルインテリジェンスソードなんて長いし可愛くないだろ》
《あるじざば~。一生ついていくのじゃ》
《ほかのメタモルインテリジェンスシリーズでもメイになりますね(ぼそ)》
それは言わないで。
こうして騒がしい仲間が1人?増えた。