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神って軽いな/ステータス決め

「う、ん……ここは。俺って助かったのか?」


 辺りを見渡すと真っ白な空間にいた。それに加えて終わりが見えない。病院じゃなさそうだな。


「死んだと思ったんだけどな」


『やあやあ、こんにちは。栄えある第一死に人君』


「でも現に生きてる…よな」


『いやいや、君しっかり死んだよ』


「うーん、とりあえず探索でもしてみるか」


『ちょっと、いい加減こっち見てよ』


「うお、だ、誰だ」


そこにはこの世のものとは思えないほど美人なお姉さんがいた。


『いや~、美人だなんててれるな~、もう』


あー、察し。この人バカだ。ってか俺口に出したか。


『出してないよ。一応これでも神だし心ぐらい読めるよ』


「紙?ああ、髪か」


『違うよ。ゴットのほうだよ。すんごいやつだよ』


「神って?」


『だからさっきから言ってんじゃん、プンプン』


 見た目だけなら女神だろうな。でも言動が、中身がどうしても認めたくない。


『まあ、私は神スコンでもぶっちぎりの一位とるぐらい可愛いし』


 中身まんまおっさんかチャラ男じゃねーかよ。


『うーん、いいね。ナイスツッコミ!』


 ナチュラルに心よむなよ。


「はあ、で神さまが何のようですか?」


『そうそう聞いてよ。実はね、ついさっき私達の管轄する世界が交換されたのね。それで私が地球の管轄になって初めての死人が君だったのね。それで君にはしま異世界に転生する権利でもあげようかなって思って。ほら、最近流行ってるでしょ。異世界転生』


「はあ」


『ハハハ、君は相も変わらずリアクションが薄いな』


「それで、本音を聞いても?」


『暇つぶし!』


「そんないい笑顔で言われても」


『とにかく、君には転生してもらいます。決定事項です』


「そんなこと言われても行く世界のことも知らないですし環境が変わってしまったら生きていくのも困難ですから」


『君のいく世界は所謂、剣と魔法の世界だ。その世界の名前はルクリア。私がさっきまで管轄していた世界だ。当然魔物なんかもいるしエルフも獣人もいる。君がいきなり放り出されたら生きていくのは困難だろう」


 やっぱりか。


『そこでだよ、住良木 健人君。君にはチート能力を与えよう。何か希望はないかい』


「それって何でもいいんですか?」


『ああ、もちろんだとも。転生先もなるべく希望を聞き入れよう』


「何でそこまでしてくれるんだ?」


『言っただろう。暇つぶしだよ。私たち神は悠久の時を生きながらえている。それは当然退屈なものだ。中には気に入った者を無理やり連れてきて自分の物にしてしまう悪い神もいる。そんな中、最近は神のルールに抵触しない転生者の観察がブームでね。だからせいぜい私の暇つぶしに付き合ってくれたまえ』


「分かったよ。まあ俺もまで生きたいからな。その提案なったぜ」


『さて、それじゃあ君のスキルなんかを決めていこうか。何か希望だったりはあるかい?』


「とりあえず、せっかくの魔法の世界だ。魔法は使いたいな。俺って魔法使えるのか?」


『無理だよ~。今まで魔法に触れてこなかったから感覚が掴めないだろうね』


「じゃあ、魔法を使えるようになりたいな」


『りょうか~い。じゃあ全魔法適正と魔力操作を付けとくね。ほかには?』


「剣も使ってみたいな」


『全武器適正だね。』


「あと、鑑定とマップ、アシストも欲しいな」


『いいね、定番だね。無限収納もいる?』


「ああ、頼む。あと……」


 この後も色々あって結果俺のステータスはこうなった。





《名前》        

《種族》    

レベル     


HP      

MP        


《魔法》       


《スキル一覧》

スキル創造 全魔法適正 全武器適正 鑑定LVー 無限収納LVー 魔力操作LV- 隠蔽LVー 取得経験値20倍 必要経験値1/20 レベルアップ時ステータス大幅上昇 索敵LVー 全自動アシスト 気配察知LVー 気配遮断LVー 限界突破 鍛冶LVー






『いやー、チートだね。強いね~』


「やりすぎた。てか、お前が煽るから」


『ごめんごめん。途中から楽しくなっちゃって』


 いま冷静になって考えると色々ダメだろう。これは強すぎる。今なら神も殺せたり。


『殺せるんじゃないかな』


「へ?」


『下級神ぐらいなら少し訓練すれば殺せると思うよ』


 いや、そんなサムズアップして言われても。


「それって大丈夫なのか」


『うん、いいよ~。管理するの私じゃないし。』


 おい。


『それじゃあ次は身分を決めないとね。』


そう言うと女神は光の門を開いた。


「これは?」


『君が転生する世界の神界につながってるよ。さすがに身分は向こうの神に頼まないと無理だからね。と言うわけでこれ持って行ってらっしゃい』


 そう言って手紙を渡された。


『向こうの神によろしく伝えておいてね』


「ああ、ありがとな。」


 そして門にむかった。くぐる直前に立ち止まって


「なあ、神。名前を聞いてもいいか?」


 すると神は少しポカンとした後におかしそうに笑って


『イルミネス。愛と欲望の神だ』


「ありがとな、イルミネス。頑張るから見ててくれよ」


 そういって門をくぐった。


後ろでイルミネスが何か言ったような気がしたが俺の耳に届くことはなかった。










『よかったんですか、イルミネス様。人間に神名を教えちゃって』


 なにもなかった空間から一柱の天使が現れた。


『ああ、ユピテルか。いいんだよ、あの子は。恐らく神になるだろうしね。』


『あの人間がですか』


『神力との相性が私よりも強かった。それになにより心根がすごく真っ直ぐで奇麗だった』


 密かに同僚になるかもしれない人間のことを考えて嬉しくなる女神さまだった。
















 光の門をくぐった先にあったのは先ほどの空間とは大して変わり映えの無い空間だった。しかし少し進んだところで円卓の様なものと何人かの恐らく神であろう者たちが話し合っていた。


『まったく、あのバカの思い付きでこんなことになってただ仕事が増えて大変なだけじゃろうに』


『まあ、そういうな。久しぶりの大仕事だ。暇してるよりはいいんちゃうか』


「あのー、すみません」


『無駄口叩いてないで仕事してください』


『そうカリカリすんなや。ストレスはお肌の敵やで。こんどお茶でもいこや』


『きもい、死ね』


「ちょっといいですか。あのー」


『うるさい。君も手を動かしなさい』


 そうして俺は何故か神の仕事のお手伝いをさせられた。







『ようやく終わった~』


『久しぶりだなこんなに働いたのは』


『もう働きたくないよ』


『ほんまやな。ところで、』


『『『『君は(ですか)(じゃのう)』』』


「今更ですか……」














「では、気を取り直して。こんにちは。地球で死んでイルミネス様に転生させてもらった住良木 健人と申します。これ、イルミネス様からのお手紙です」


『これはこれは、ご丁寧にありがとうございます。私は知恵の神 イルです』


 手紙を受け取ってくれた神様はイルミネスなんかとは全然違ったザ・神って感じの巨乳の仕事ができる上司っぽいひとだ。


『ほう、あやつが神名を教えるとはのう。わしは創造神 クガイじゃ』


 今度はこれまたいかにもなおじいちゃんだった。そんな感じでのほほんとしていると


『な、な、なんですかこれーーーーー』


 先ほどの手紙を受け取ってくれたイル様が叫んだ。その後神様全員も読んで即話し合いとなった。








『ごほん。まず先に仕事を手伝ってくれて感謝する。すまんのう』


「いえいえ。あの、それでですね、転生先を決めてもらうのにこちらに来たんですけど」


『ああ、あいつの手紙にかいてあったのう。じゃがの、そのー、……あぬし強すぎないか?』


「確かにそうですよね。イルミネス様も下級神なら殺せるって言ってました」


『いやいやいや、スキル創造とかわしの特権じゃぞ。わしの存在価値無くなってしまうわい』


「ごめんなさい?」


『は~、まあええわい。それで転生先はどこがいいかのう。希望はあるかの』


「できれば貴族で跡継ぎとか関係ないほうがいいです」


『欲張りじゃのう。まあええ。ちょっとまっとれ。いいのがいるか探してくるのでのう。それまでほかの神と自己紹介でもしとってくれ』


 そういうと創造神様はどこかへ行ってしまった。


『それでは改めて、私から行かせていただきます。さきほども申しましたが知恵の神 イルです』


 そして次にイル様の隣の神から時計回りに自己紹介を始めた。


『はいはーい、次は僕だね。僕は武神 キュレルだよ。よろしくね、お兄さん』


 なんと。武神様はケモ耳ぼくっ娘だった。最高かよ。健康的な小麦色の肌に大胆にへそ出ししたきわどい服。すらっとした手足につつましい胸。顔は可愛い系だ。


『次は俺だな。俺は魔法神 フリールだ。魔法はいいぞ。ロマンだ』


 一言。おっさんだ。もっさいおっさんだ。


『次は俺っちかなかな。俺っちは遊戯の神 ジャンバルだ。可愛いねーちゃん紹介したろうか』


 イルミネスの男バージョン感。チャラいがおねーちゃんを紹介してくれるのはうれしいな。俺はジャンバルとうなずきあって堅く握手を交わした。


『お二人とも下品ですよ。健人さん、そういうこしちゃめっ、ですからね。まったくもう』


 プンプンって擬音が出てきそうな聖女様っぽい女性は、豊穣の神 リリルと名乗った。


 鍛冶の神 ヴァンス   姉御という言葉が合うサバサバした神様だ。

 酒の神 ガンツ   ドワーフのおっさんだ。

 守護の神 ノゼ   ガーディアンや騎士といったイメージだ。

 終焉の神 スオウ   無口だ。ただただ無口だ。しかも目つきが怖い。








 自己紹介が終わってしばらくして、創造神様が帰ってきた


『やっと見つかったわい。して、自己紹介は終わったかのう』


「あ、はい。ありがとうございます」


『わしらもなかなかこんな事ないからのう。それでじゃ、お主の転生先はオークレン王国 辺境伯家三男じゃ。どうかのう』


「はい。問題ありません。ありがとうございます。ただ、その……」


『ん、どうしたのじゃ?』


「俺の住んでた国には貴というものがなくてですね、それで爵位の順位を教えて欲しいのですが」


『あいわかった』


 創造神様によると 王族 公爵 侯爵 辺境伯 伯爵 子爵 男爵 騎士爵 だそうで、公爵と侯爵の違いは王族の親戚かどうかで、実質貴族の中のトップは侯爵らしい。しかし辺境伯は国の防衛に携わるとても重要な役回りのため発言力も強く、尊敬と畏怖の対象で喧嘩を売ってはいけないと暗黙のルールが存在するらしい。


「何から何までありがとうございます」


『いやいや、こっちも退屈しのぎになったからのう。よし、気に入った。お主にはわしの加護をやろう』


『む、ずるいですよ、創造神。私も気に入ったので上げます。力に溺れず正しき者のために力を使いなさい』


イル様からももらった。


『えー、ズルいズルい僕も』


『俺っちも』


『俺もやる』


『あたいも気に入ったさね』


『おらもやるわ。うんまい酒でも備えてくれや』


『俺がお前を守ってやる』


『ぼ……僕……も。こ……んな、僕……と、おは……なし、、して……くれた……から』


 スオウ様、めっちゃええ人やん。怖いとか言ってすんませんでした。


「でも、こんなにもらってもいいんですか?」


『いまさらじゃろうて』


 確かにそれもそうか。


「それでは、お願いしてもよろしいですか」


『おう。後悔の無いようにな』


「はい。重ね重ねありがとうございました」


『では、転生!!!』




 こうして住良木 健人は異世界に転生した。  

ぼくっ娘いいよね。

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