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王都へ

新章です。

 エンペラーベアーとの死闘から2年がたった。俺は幼児体型からちょい幼児体型へと進化を遂げた。顔も少しづつだが大人びてきて、将来が楽しみだ。

 あれからほんとに色々なことがあった。


 まず父様に剣術を本格的に仕込まれた。今までの我流ではなくしっかりとしたもので、初めは長剣を持ってのランニングだった。始まる前は何が辛いのかいまいち分からなかったが、これがまた凄かった。いくらステータスが凄くても体は子供だ。剣を地面や木にすぐぶつける。ぶつけると父様からの愛の鞭が飛んでくる。武器の取り扱いをひとしきり学んだ後は今度は母様とフィーネによる魔術の授業だった。


 魔術と言っても基礎知識や知っているといいことなどを教えてもらった。例えば、俺が苦労して倒したエンペラーベアー。つまりはベアー系は実は火属性に弱いらしく知識として知っておけば火魔法でも簡単に倒せるらしい。逆に水系統、風系統、土系統には耐性が高くあまり攻撃の意味がないらしい。もっと早く知りたかったよ…。それとトアに聞いたところ世界辞書という名だが俺のスキルや理解を超えることは知ることが出来ないらしく、逆に俺の出来ることや一度目にしたり聞いたことはしっかりと記憶されているらしい。これでカンニングし放題だね!

 え、カンニングはだめ?大丈夫だよ、ばれなきゃ犯罪じゃないって言うし。そもそも俺のスキルってことは俺の実力だしね。

 


 その後母様に俺のカンニング計画がばれて試験では使わないことを約束させられた。




 次は礼儀作法の授業だ。俺のお披露目会に向けてセバスさんが相手をしてくれている。正直この時間が一番きつい。もとの世界では一般市民だった俺にとってダンスやら口上やらは縁もゆかりもないものだった。特にダンス。相手に合わせて相手を引き立たせろと言われても、こちとら転ばないようにするだけで精一杯だっての。なんとか転ばないようにしても体の軸がぶれているだの、煌びやかさが足りないだの訳の分からないことで叱られる。

 1回礼儀作法の授業をさぼって領内に行こうとしたことがあったが、なぜか門の横にセバスがいて、

「さあ、今日も張り切っていきましょう」

と小脇に抱えられ失敗したことがあった。

 訳を聞いたところ父様も逃げ出したことがあり、時期的に俺も逃げ出すと思ったらしい。

 ちなみにその日の授業はいつもよりも厳しく、二度とセバスさんには抵抗しないと心に誓った。


 あれ、俺の家のはずなのに、少なくとも4人は逆らえない人がいるぞ。しかも内3人は女性だ。どうしてこうなった。


 そしてある程度ダンスが形になってくると、今度はお茶会での作法、言葉使い、歩き方に贈り物の選び方など多岐にわたることを学ばされた。


「オハツニオメニカカリマス。ワタクシハカイン・シール・クラウンヘンキョウハクケガサンナン、ロザリオ・シール・クラウントモウシマス。イゴオミシリオキヲ」


 セバスから合ってはいるものの感情がこもっていなく人形の様だと言われた。母様とフィーネは褒めてくれたのに。

 

 そんなこんながあったが、俺もついに王都の教会で加護をもらいに行くことになった。

 もうもらっているのに必要なのかと思ったが、そこは貴族のなんだかんだで行かなければならないらしい。全くこれだから貴族は。


 














 こうして俺が王都に行く日当日になった。

 今回王都に向かうのは俺と父様母様の3人、そして護衛の騎士団何名か。

 

 テオ兄さまはここ最近は本格的に領内の運営を任されており、父様はもう引退かななんて言っている。それに婚約者が決まったそうだ。なんと相手は侯爵家のご令嬢でテオ兄さまが学園に通っていたころの同級生らしく、相手のご令嬢の一目惚れだったらしく必死にい婚約へと持って行ったらしい。

 

 マイン姉さまはまた一段と奇麗になった。不本意なことに。それに礼儀作法も俺より完璧で立派な淑女のハリボテくらいにはなっている。不本意だが。それに姉さまたちが6歳の時のお披露目会ではたくさんの貴族に婚約を持ち掛けられたらしいが、俺の名前を出して回避したらしく、俺は見ず知らずの貴族に勝手に恨まれてるようだ。なんてことしてんだよ。

 

 スグルド兄さまは文官として城に努めることにしたらしく勉強を頑張っており今では母様やフィーネと同じくらい知識が豊富で、最近は分からないことをスグルド兄さまに聞いているくらいだ。それにやはりお披露目会ではマイン姉さま同様に婚約の話がたくさん上がったらしく、クラウンヘン辺境伯家の妬みが凄いことになっているらしい。俺無事に結婚できるかな。





 そんなこんなありながら俺は馬車に乗り込んで王都を目指す。

 


 馬車には辺境伯家の紋章が大きく書かれており、作りも豪華でなによりお尻が痛くないのだ。実はこの馬車にはサスペンションのようなものが取り付けてある。これは俺が母様のお尻が痛くなるという不満を

聞いて大まかな設計図を描き、それをテオ兄さまと鍛冶屋に依頼をして作ってもらったものだ。

 サスペンションの評判もよく、だんだん貴族や商人の馬車にも取り付けられており、テオ兄さんの名前が売れ領地も活気が増し始めている。忙しいと嘆いていたがいい恩返しになっただろう。


 












 ある程度進んだ所でトアが俺に話しかけてきた。


《どうやらこの先で魔物の集団に襲われている人間の反応があります。どうなさいますか》

《状況は?》

《死者はいないものの負傷者がおり押されているようです》

《分かった。助けにいこう》


 俺は走行中の馬車のドアを開けた。


「どうしたリオ、危ないぞ」

「この先で魔物の集団に襲われていえる人を感知しました。先に行って殲滅してきます。あとから護衛の騎士を連れてきてください」

「ちょっと、危ないわよ」


 そんな母様の声を背にして俺は魔物の集団のいるところまで走って行った。

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