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少女が見たもの。
巨大な施設内にて、大勢の人間が手錠に鎖を繋がれ順番に中心部に移動させられている。
人々の眼に輝きはなく、まるで機械の様に表情一つ変えない。
たった一人を除いて。
たった一人の少女の表情は、
苦虫を嚙み潰したような表情で大人達を睨みつけている。
暫く少女が列に並びながら歩いていると
見慣れた広場で無数の大人達が、列に並ばされ
中心部には多くの兵士と真っ黒の小洒落たスーツを
着こなす一人の男がいる。
少女は、以前物知り爺さんから聞いた外の世界のリーダー。
そしてこの施設の管理者の話を聞いたのを思い出した。
スーツの男は、一人の兵士の通達を聞くや否や
笑みを浮かべた。
それから数分後。
施設中の住民全員が集まったのを確認し
スーツの男が、拍手をし住民達の目線を集めた。
「蝉の民よ。お勤めご苦労様。」
スーツの男が拍手を止めると同時に多くの兵士が、
自分達に向け銃口を向ける。
少女は俯き自分の人生を振り返った。
この施設で育った思い出。
ある少年と語った夢の話。
そして彼がここから旅立ったあの日。
まだ死にたくない。
そう思った瞬間沢山の銃声が施設中に鳴り響いた。