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灰になった世界で  作者: 椎名吟恭平
4/8

少年と化物(後編)

僕が目を覚ますと薄暗い部屋で、少し硬いベッドの上に横になっており、分厚い毛布が被されていた。

重たい身体を起こすと目線の先に、先程の生き物が座っているのが見えた。

それに気づいた様で、こちらに近づきボロボロの紙を渡してきた。


そこには、ギリギリ読める字でこう書かれていた

『これからどうしたい?』と書かれている。


これからどうしよう。

あの場所に戻って確かめたいけど、

どうにも気分が乗らない。

それを察したのか生き物は、窓を指差した。

指差された窓を見ると

そこには、先程見た景色が広がっている。


そうか、あれはやっぱり夢じゃなかったんだ!

僕の心臓が高まるのを感じた。

今戻っても、きっとユーリも街の皆も、

まだ混乱しているはずだ。

しっかり外の世界を自分の目で確かめたい。

それに自分の知らない世界を知りたい。

きっと外の世界があると知ったらユーリも

機嫌を直してくれるはずだ!


再び僕は、生き物を見て自分の想いを伝えた。


「もしも。この建物から出られるなら。外に出たい!」

生き物は、僕の顔をじっと見つめているように

思えた。

生き物は、ゆっくり動き出し次の紙を僕に渡してくれた。


そこにもギリギリ読める字で、

『そう言うと思った。俺のことは、ゾンビとでも呼んでくれ』

その意味も分からず僕は、生き物をゾンビと呼び

また一礼した。


するとゾンビは、ドアの方へ歩き始め

扉を開き手招きしている。

僕も扉まで向かうと、先程の薄暗い通路とは違い

陽の光が窓から差し込み少し明るい通路になっている。

始めて感じた陽の光が眩しく僕の目が慣れるのに少し時間がかかった。


もう大丈夫!とゾンビに伝えると、進み始め

この部屋から少し進んだ場所に、自分の住んでいた部屋程の広さのフロアに辿り着いた。


そこには、両窓に挟まれた扉があり

ゾンビは、僕の方を見てドアを開けるようジェスチャーしてくれた。

そして僕は、ドアノブに手をかけた。

その時感じた鼓動の高鳴りは、今まで感じた事のない程の緊張感で、自分の心臓の音が聞こえるくらい興奮していた。


ゆっくり、ゆっくりドアノブを外に押すと

先程よりも眩しい光が隙間から漏れてきた。

扉を開ききると、そこには夢にまで見た外の世界が辺り一面に広がるいる。


感じた事のない風に暑さ。

臭った事のない匂い。


僕はゆっくり空気を吸い込んだ。

なんて凄いんだ!外の世界は!

身体の中で何かが弾けるような感覚。


始めて感じた -生きてる-と言う実感。

ノヴァは、この感覚に興奮して化物に

何度も何度もお礼を言った。


化物は、喜ぶノヴァを見て。

何処か嬉しそうな様子だった。




一方、建物から離れた小さな集落跡地にて

複数のテントが張られている。

複数の兵士が徘徊し、中心に張られた大きなテントに一人の兵士が入り込む。


そのテントには、無数の銃や火薬。

大きなテーブルとその上に大きな地図。

テーブルの上に置かれたこの周辺の地図になっており

いくつかの街は、バツ印がされている。

それを囲む3名の小隊長。

そして指示を出している、二十代後半の男性。


「副隊長!レイゴ副隊長!」


「どうした?見つかったか?」

「それが・・・。第3地区にて、小隊が全滅。連絡が途絶えました。」

「クソッ。」

男性は、強くテーブルを叩いた。

「・・・これ以上の捜索は。」

一人の小隊長が、副隊長に今回の作戦の無謀さを改めて伝えた。

「もう既に、我々第6小隊の半数が行方不明、または死亡。」

それに続くように、他の小隊長も責めるように言い聞かせた

「2週間かけて発見は、出来ていません。このままだと」


すると、抵抗するように副隊長は、口を開いた

「・・・すまない。一人にしてくれ。」


その言葉に、小隊長3名と兵士はテントから出る。

出るや否や、小隊長達は、レイゴの事を妬み話始める。


「何が副隊長だ。あんな奴に何が出来る。」

「仕方ないだろ。元隊長の後釜だ・・・。」

「後釜っつっても ()()()とは違って作戦もあやふや。今回の作戦もアイツ発信なんだろ?」

「あぁ・・・迷惑な話だぜ全く。」

「大体あの人は、もう・・・。」



そして一人テントに残るレイゴは、頭を抱えていた。


「・・・俺には、無理だよ。お前と違って。」

レイゴは、第6小隊の旗を見つめある人物を思い浮かべていた。

「お前は、今何処にいるんだ・・・。()()()()。」

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