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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第九話 薔薇の笑顔は美しい
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走って帰ろう!

 しばらくの沈黙の後、颯はベンチから勢いよく立ち上がった。


「よし! 美海ちゃん、透花さんのところに行ってみねぇ!?」

「とうかねえの所に……?」

「おう! 透花さんなら、小さい頃着てた服とか、もう使わなくなったヘアアクセサリーを持ってるかもしれないじゃん! もし持ってたら、それを貰おうぜ!」

「でも、とうかねえに迷惑かけちゃうし、しんにいも……」


 先程と同じ理由で、美海はそれを断ろうとする。


「大丈夫だって! だって透花さんが、美海ちゃんサイズの服を今でも着れると思うか?」

「ううん……」

「それなら、ただ仕舞っておくよりも美海ちゃんに着てもらえた方が、透花さんも服も幸せだと俺は思う!」

「そう、なのかな……?」

「そうだよ! ヘアアクセサリーも一緒! 小学生の頃に使ってたやつを、今でも透花さんが頭につけてるのを想像してみろよ!」

「……とうかねえ、なんか変かも。ふふっ!」


 颯が言ったことを、美海は想像する。

 自分が思い描いた透花の姿を見て、笑みを零した。

 美海の笑顔を見て、颯は心底ほっとする。


「いらない物を貰ったんなら、心だって悲しまないと思うし! だから、とりあえず行ってみようぜ!」

「うん!」

「よし! ダッシュで屋敷まで帰るぞー!!」

「おー!!」


 二人は手を繋ぐと、元気に走り出した。

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