表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第八話 ローズマリーが奏でる音
80/780

達人、現る!

「奏太くん、欲しいやつある? 取ってあげるからさ♪」

「えっと、じゃああれが欲しいです」


 奏太は、とあるクレーンゲームを指差す。

 そこには、鞄につけるのに丁度いい大きさのぬいぐるみがたくさん入っていた。

 どうやら、全て同じモンスターのようだ。


「ああ、あれか! ゲームにアニメに、子ども達に大人気だよね~」

「椎名さんも知ってるんですか?」

「うん☆ 一緒に住んでる友達の弟が大好きだから、たまに一緒に見るんだ」

「僕は、ラッテレが好きなんです」

「かわいいし人気あるよね~。この台に入ってるのも、全部ラッテレだし。よーし! 俺が奏太くんに、この子をプレゼントしちゃうよ~♪」


 そう言うと虹太は、投入口にお金を入れた。


「ちなみに、どれが欲しいとかあるー? まあ、みんな同じなんだけどさ」

「真ん中にある、目の色が青いやつが欲しいです!」

「目が青のやつ……?」

「はい! アニメには出てきませんが、ゲームにはたまに体の一部が違う色になったモンスターが出てくるんです。まさか、そのバージョンのグッズがあるとは知りませんでした」


 虹太は、奏太が指定した辺りを見つめる。

 その姿は、何かを考えているようだった。


「あ、すみませんはしゃいじゃって……! 僕は取ってもらう立場なのに……」

「……ああ、真面目な顔してたから怒ってるように見えた? よく言われるんだよね~。そんなんじゃなくて、一回で取れるかなって考えてただけだよ。とりあえず一回やってみて、ダメだったらそれから対策立てよっかな!」


 虹太はボタンを押して、アームを操る。


「う~ん、この辺かな?」

「わあ……!」


 アームがぬいぐるみの山に突き刺さると、急に雪崩が起きたかのように大量のラッテレは落とし口へと吸い込まれていった。

 その数は、優に十個は超えているだろう。


「奏太くんが欲しがってたやつ落ちたー?」

「はい! 椎名さんすごいですね! まさか一発で取れるなんて!」

「他のゲームは苦手だけど、これだけは得意なんだ☆ 奏太くん、好きなだけ持って帰っていいよ~。もっと欲しければもう一回やるし」

「いえ! 色違いと普通の一つで充分です」

「そーう? じゃあ俺が持って帰って、友達の弟にあげよっかな~♪」


 この後も虹太は、お菓子などのクレーンゲームに挑戦し大量の戦利品を得た。

 それを奏太と仲良く半分に分けると、二人はゲームセンターを後にしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ