コウタとソウタ
「こんにちは~☆ 君が中条奏太くん?」
「あ、はい」
「俺の名前は椎名虹太です! 君がソウタくんで俺がコウタだから、なんだか名前が似てるね。今日はよろしく~」
「よろしくお願いします」
後日、指定された公園で虹太は少年と落ち合った。
彼の名前は、中条奏太。
この春に小学六年生になったばかりの大人しそうな少年だ。
「奏太くん、どうかしたー? 俺の顔じっと見て……」
出会った瞬間から、奏太は虹太の顔をじっと見ていた。
さすがの虹太も気になるようだ。
「あ、いえ。椎名さんの顔を見たことあるような気がして、どこだったかなと思って」
「登下校の時とかに見かけたんじゃない? 奏太くんの学校、この近くでしょ?」
「はい、そうです」
「俺、この辺よくふらふらしてるからさ~」
「……なんか、全然別のところで見たような気がするんです」
「う~ん、なんだろうね? 俺もわかんないし、思い出したら教えてよ」
「わかりました」
「じゃあ、早速だけど行こ~。ゲーセンに行ったことがないって聞いたから行こうと思うんだけど、そこで大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
「ではでは、レッツゴー☆」
こうして二人は、シュッピングモール内にあるゲームセンターへと向かったのだった。