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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第五十五話
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僕は君の特別で、君も僕の特別なんだ。

「ないぞ! だって、オレはアルパカだからな!」


 あまりにもあっさりと言い切ったぱかおに、心は驚きを隠せない。

 彼は、人間生活を謳歌しているようにしか見えなかったからだ。


「そうなの……?」

「おう! ……もしかして、シンはオレがニンゲンの方が好きなのか!?」

「僕は、アルパカとか人間とか関係なくぱかおのことが好きだけど……。さっき、人間だったら僕と一緒に学校に通えるかもって話をしてたから……」

「それは、ニンゲンだったらの話だろ? オレはアルパカだ!」


 戸惑う心を気にする様子もなく、ぱかおは言葉を紡いでいく。


「確かにニンゲンだったら、一緒に学校に通えたかもしれない! ニンゲンのことだって怖くないだろうし、友達もたくさんできたと思う! でも、ダメだ!」

「何が、ダメなの……?」

「ニンゲンじゃ、シンの相棒になれない!」

「相棒じゃないと、ダメなの……? 友達とか、親友とか……」

「ダメだ! 親友や友達は、何人いてもいいだろ? でも、相棒は一人だけだ! オレにとってシンは特別だから、シンにとってオレも特別でいたいんだ!!」


 ぱかおは、拙い言葉で心に懸命に語りかける。

 それは、心の気持ちをも熱くさせるものだった。


「アルパカのオレとニンゲンのシンだから、今まで色々なことを乗り越えてこれただろ!? 初めて会った時とか、オレがおっきくなっちゃった時とか……」

「……うん、そうだね」

「きっと、オレが初めからニンゲンだったらこうはいかなかった! だからオレは、アルパカの自分と、ニンゲンのシンが大好きなんだ! ……伝わったか?」

「……うん。僕もやっぱり、アルパカのぱかおが恋しいよ……。もふもふ……」

「戻ったら一番にもふもふさせてやるからな! 楽しみにしててくれ!」

「……うん!」


 その後も二人は、様々なことを話した。

 お腹の虫の音が邪魔するまで、彼らのおしゃべりは続いたのだった――――――――――。

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