僕は君の特別で、君も僕の特別なんだ。
「ないぞ! だって、オレはアルパカだからな!」
あまりにもあっさりと言い切ったぱかおに、心は驚きを隠せない。
彼は、人間生活を謳歌しているようにしか見えなかったからだ。
「そうなの……?」
「おう! ……もしかして、シンはオレがニンゲンの方が好きなのか!?」
「僕は、アルパカとか人間とか関係なくぱかおのことが好きだけど……。さっき、人間だったら僕と一緒に学校に通えるかもって話をしてたから……」
「それは、ニンゲンだったらの話だろ? オレはアルパカだ!」
戸惑う心を気にする様子もなく、ぱかおは言葉を紡いでいく。
「確かにニンゲンだったら、一緒に学校に通えたかもしれない! ニンゲンのことだって怖くないだろうし、友達もたくさんできたと思う! でも、ダメだ!」
「何が、ダメなの……?」
「ニンゲンじゃ、シンの相棒になれない!」
「相棒じゃないと、ダメなの……? 友達とか、親友とか……」
「ダメだ! 親友や友達は、何人いてもいいだろ? でも、相棒は一人だけだ! オレにとってシンは特別だから、シンにとってオレも特別でいたいんだ!!」
ぱかおは、拙い言葉で心に懸命に語りかける。
それは、心の気持ちをも熱くさせるものだった。
「アルパカのオレとニンゲンのシンだから、今まで色々なことを乗り越えてこれただろ!? 初めて会った時とか、オレがおっきくなっちゃった時とか……」
「……うん、そうだね」
「きっと、オレが初めからニンゲンだったらこうはいかなかった! だからオレは、アルパカの自分と、ニンゲンのシンが大好きなんだ! ……伝わったか?」
「……うん。僕もやっぱり、アルパカのぱかおが恋しいよ……。もふもふ……」
「戻ったら一番にもふもふさせてやるからな! 楽しみにしててくれ!」
「……うん!」
その後も二人は、様々なことを話した。
お腹の虫の音が邪魔するまで、彼らのおしゃべりは続いたのだった――――――――――。