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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第五十五話
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吹き飛ばされそうになりながらも、頑張ったんです。

「おっ! ピアノが置いてあるぞ!」

「音楽室だからね……。みんなで歌を歌ったり、楽器を演奏したりするんだ……」


 二人が最初に訪れたのは、音楽室だった。

 ぱかおは興味深そうに、辺りをキョロキョロと見回している。


「そういえば、シンの歌って聴いたことない気がする!」

「僕は、大きな声を出すのが苦手だから……。歌うのも、得意じゃない……」

「そうなのか! ハヤテはどうなんだ?」

「颯くんは、とっても大きな声で堂々と歌うんだよ。音程を外して先生に注意されることもあるけど、あんな風に歌えたら気持ちいいだろうな……」

「その姿、想像がつくぞ! ハヤテらしいなー!」


 心とぱかおが次に訪れたのは、食堂である。

 ガランとした食堂はどこか不気味にも思えるが、二人には関係ないようだ。


「ここは、食堂……。お昼休みに、ご飯を買って食べれる場所だよ……」

「うちよりでっかいテーブルがたくさんある! こんなに人数がいるのか!?」

「うん……。僕は晴久さんのお弁当があるからあんまり来ないけど、いつもすごく混んでるんだって……。毎日、戦争みたいだってクラスの子が言ってた……」

「戦争!? それは穏やかじゃない言葉だ……!!」

「ここは、普通のご飯だけじゃなくて焼きたてのパンも売ってるんだよ……。特に、クリームパンが一番人気なんだ……。生地はふわふわもちもちで、とろとろのクリームがたっぷり入ってて……。考えるだけで、お腹が空いてきた……」

「じゅる……。オ、オレも涎が出てきたぞ……!」

「……実は、ぱかおと一緒に食べたいと思ってそのクリームパンを買ってあるんだ。教室に置いてあるから、後で一緒に食べよう……?」

「そうなのか!? やったー! でもさっき、ここは戦争みたいだって……」

「……へへへ、僕、生き残ったよ。すごいでしょ……?」

「シン、すごいぞ! さすがはオレの相棒だ! ありがとな!」

「……どういたしまして。じゃあ、次の場所に行こうか」


 心とぱかおはそれからも、図書室や美術室など様々な場所を回った。

 そして最後に、心が毎日通う教室を訪れたのだった――――――――――。

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