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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第五十四話
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それは希望の音なのか

 僕が男たちのサンドバッグになってから、三十分ほどが経った。

 これだけ殴る蹴るを続けて、ようやくわかったみたいだね。


「こいつ、何もしゃべらねえ……!」

「こんなにボロボロなのに……!」


 僕は、絶対に何も話さない。

 場所さえわかれば、透花さんが絶対に来てくれるはずだから。

 それまでの時間を、なんとしても稼がないといけないんだ。


(このくらいの痛みなら、まだ耐えられる……)


 そんな風に思った、その時だった。


「おい! これを使ってこいつを殴れ!」


 元依頼人が、一人の男に何か武器のようなものを渡したんだ。

 眼鏡がないせいではっきりとは見えないけど、これはマズいね……。


「こんなんで殴ったら、死んじまうんじゃないですかい?」

「死なないようにやるんだよ! 骨の一本や二本折れば、こいつも素直になるだろう! いいか!? 頭はやめておけよ!? 腕や足を狙うんだ!」

「なるほど。そういうことなら……」


 男は、凶器を持ったまま僕に近付いてくる。

 ……今までの暴行に耐えられたのは、男たちが素手だったからだ。


(骨折はさすがに耐えられないでしょ……! くそっ……!!)


 “絶体絶命”という言葉が僕の頭を過ぎった瞬間だった。

 ――――――――――コンコン。

 焦った僕の耳に、小屋の扉を叩く音が響いたんだ。

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