表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第五十三話
723/780

あぜ道を、ぶらぶらと

 住所を書いたメモを頼りに、僕は例の田舎町を訪れていた。

 シャンカーニュっていう、観光客なんて滅多に来ない町だよ。

 到着した頃には夜になってたから、町に一つしかない宿に泊まる。

 決して豪勢ではないけれど、温かなおもてなしをしてもらえたよ。

 翌日になると、僕はある物を処分してから宿を出た。

 そして、特に行先を決めずにぶらぶらとあぜ道を歩く。

 例の野原に向かうわけでもなく、ほんとに歩いてるだけだ。

 コンビニなんて一つもないし、人もほとんどいない。

 そんな場所を歩くだけなんて、普段の僕なら時間の無駄だと思うだろうね。

 でも今の僕は、そんな風には思わないよ。

 ……獲物が網にかかるのを、じっくりと待ってるんだから。


(ふう……。この辺で少し休憩しようかな……)


 一時間ほど歩いたところで、僕は大きな木の下に腰を下ろした。

 そして、宿で貰った麦茶を飲んで、額の汗をハンカチで拭う。

 まだ四月になったばかりとはいえ、これだけ歩き回るとさすがに暑いよ。

 ――――――――――その時のことだった。


「……二階堂さん、奇遇ですね」


(かかった……!)


 僕に、とある人物が声をかけてきたんだ。

 それは予想通り、僕に今回の件を依頼してきた男だったよ――――――――――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ