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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第五十三話
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とってもいい気分だよ

(わあ、すごい。ほんとに振り込まれてるよ)


 男から依頼を受けた翌日、僕は銀行にいた。

 通帳には、昨日まではなかった金額が記されている。


(成功したら、更にこの倍を払ってくれるんでしょ? さすがに話がうますぎるよなぁ。まあ僕も、相手の話を百パーセント鵜呑みにしてるわけじゃないけど)


 昨日の男の話は、やっぱり納得のいかない点も多かった。

 一番不審に思ったのは、僕の前に依頼したプログラマーたちについて。

 彼らから少しでも情報を引き出せないかと思って、詳しく聞いてみたんだ。

 だけど依頼人の男は、彼らの素性については一切明かさなかったんだよね。


『お伝えする必要はないと思います。彼らはプログラムを解けなかった人間です。彼らの話を聞いて、二階堂さんの仕事に支障をきたしては困りますから』


 これって、おかしいと思わない?

 だって、あんな大金を支払ってまで手に入れたい物があるんでしょ?

 それなら、どんなに小さな情報だって大切なはずなのに。


(着手金も貰っちゃったし、とりあえず僕は自分のベストを尽くすだけだけど)


 彼らの話を聞かなくても、僕がロックを解除できるかもしれないし。

 前任者は無能で、何も情報が得られなかった可能性だってゼロじゃない。


(プログラムと向き合ってみてから、後のことは考えよう)


 僕は通帳を鞄に仕舞うと、家までの道のりを歩き出した。

 色々と考えなきゃいけないことはあるけど、気分はとてもいいよ。

 だって、こんなにも懐が暖かいんだからさ。

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