この言葉に、嘘偽りはないから
⑨午後九時、透花の私室にて
あみだくじの結果、今回の企画のトップバッターは柊平になった。
「……隊長、失礼いたします」
緊張しながらドアを開けると、透花の私室へと入っていく。
「いらっしゃい、柊平さん」
柔らかな笑顔を浮かべる透花を見て、緊張も少しは解れたようだ。
そのまま、金色の箱に入ったシャンパンを手渡す。
「……受け取っていただけると幸いです」
「ありがとう。中身はシャンパンかな?」
「はい。金粉入りですので、舌だけではなく目でも楽しめるかと思います」
「わあ、豪華だね。金粉入りのシャンパンなんて飲んだことないよ」
「この金粉はよく見ると、桜の花びらの形が混じっているのです。もうすぐ桜の季節になりますのでご用意いたしました。お口に合うとよいのですが……」
「すごい、オシャレだね。サンタさんに貰ったシャンパングラスに注いで、じっくりと探させてもらうよ。柊平さんも付き合ってくれると嬉しいな」
「……はい。私でよろしければ、是非。……隊長、失礼いたします」
柊平は意を決したように透花の手を取ると、静かに甲に口づけた。
「……いつも、お慕い申し上げております」
手の甲へのキス、その意味は、敬愛――――――――――。