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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第七話 タイムは彼を称賛した
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彼は、決断した。

 心が目を閉じてから、どれくらいの時間が経っただろう。

 近くにある動物の気配は、自分から離れていく様子はない。

 不思議に思い目を開けると、左前足を舐めている彼の姿が視界に入る。


「君、もしかして足が……」


 彼が負っている怪我は、かすり傷だけではなかったのだ。

 すぐにでも人間から離れたいという気持ちはあるものの、怪我をした足がそれをさせてくれない。


「やっぱり薬を……」


 そう言い、彼に近付こうとした心の動きが止まる。

 自分以外の人間の気配を、周囲に感じたからだ。

 怪我の様子から、彼はこれ以上自力では逃げられないだろう。


(僕が、なんとかしないと……)


 心は立ち上がると、優しい声で言う。


「……君のことを捕まえようとしている人間が近付いてる。でも、君は安心してここで待ってて。彼らのことは、僕がなんとかするから……」


 アルパカの瞳には、先程とは少しだけ違う光が宿ったように見えた。

 心はそれを横目で確認すると、立ち上がる。

 そして、男たちがいる方へ向かっていった。

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