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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第四十九話
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柔らかな時間を、君と

⑬午後十時、自室にて


「柊平さん、こんばんは」

「ご足労おかけしまして、申し訳ありません。夕飯、ごちそうさまでした」

「いえいえ、どっちも私が好きでやっていることだからね。はい、これどうぞ」

「……頂戴いたします」


 透花が次に向かったのは、柊平の部屋だ。

 柊平は、恭しい手付きで白い箱を受け取った。


「……開けてもよろしいでしょうか?」

「うん、もちろん。食べて感想を聞かせてもらえると嬉しいな」

「かしこまりました。では、いただきます」


 青いリボンを解いて蓋を開けると、そこにはボンボンショコラが並んでいた。

 早速食べてみると、芳醇で華やかな香りが口いっぱいに広がっていく。


「……これは、シャンパンですか?」

「うん。柊平さんにあげるなら、やっぱりお酒が入ったものかなって」

「ウイスキー入りなら食べたことはありますが、シャンパンは初めてです」

「最近は、シャンパン入りのトリュフとかもあるらしいよ」

「……そうなのですね。とても、美味しいです」

「よかった。残ったシャンパンがあるのだけれど、少し晩酌しない?」


 そう言うと透花は、どこからかシャンパンボトルとグラスを取り出した。


「……はい。ぜひ、ご一緒させてください」

「ありがとう。部屋に入っても構わないかな? それとも、リビングにする?」

「……隊長が不快にならない程度には整頓しておりますので、どうぞ」


 柊平は、隊員の中で誰よりも片付いた部屋に透花を招き入れる。

 二人はその後、ボトルが空になるまで穏やかな時間を過ごした。

 柊平がクールながらにどこか柔らかな空気を纏っていたのは、アルコールのせいだけではないのだろう――――――――――。

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