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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第四十八話
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人はそれを無茶ぶりと言うのです

「同じような曲ばかりでつまらんなあ」


 パーティーも終盤に差し掛かった頃に、一人の男の人が大きな声で言った。

 クラシックに馴染みがない人だと、どの曲も同じように聴こえるのかな?

 あの人は確か、ジャズが大好きだったはずだし。


「儂はジャズが好きなんじゃ!」

「先生、お気持ちは分かりますがこの辺で……」

「ええい、うるさい! 誰か弾ける者はおらんのか!?」


 顔も赤いし、多分酔っ払ってるんだろうな~。

 秘書みたいな人が止めようとしたけど、無視しちゃってるし。

 よほどのお偉いさんなのか、周りの人は見て見ぬ振りって感じだね。

 ピアニストたちは、みんな困ってるみたいだ。

 楽譜もない状態で、急にジャズを弾けって言われても難しいもんな~。


「……先生、僭越ながら私が弾かせていただきます」


 ……男の人にそう言ったのは、志摩くんだった。

 志摩くんが、今日のピアニストたちのリーダーなのかもしれない。

 みんな、リュミエール出身の音楽家だって紹介されてたし。

 リュミエールっていうのは俺の地元で、音楽が盛んな都市なんだよね。


「おお! 弾ける者がおったか! 頼んだぞ!」

「……はい」


 志摩くんは、緊張した表情で椅子に座る。

 そして、誰もが知ってるような有名なジャズの曲を弾き始めたんだ――――――――――。

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