表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第六話 ヒルガオが見た兄弟のかたち
62/780

おれのじまんのにいちゃん

 閉会式も終わり帰る準備をしていると、隼輔が大和のもとを訪ねてきた。


「……しょうがいぶつきょうそうでは、おれはお前に負けた」


 突然そう言い出した隼輔に、大和は思わず首を傾げてしまう。


「……でも、今日はにいちゃん同士のリレーで勝負する約束だったから、今回は引き分けだ! べ、別にお前に負けてくやしいなんて思ってないからな!? お前との勝負は、ちゃんと自分の手で決着をつけることに決めたんだ!!」


 そう言うと隼輔は、後ろの方で帰る準備をしている美海をちらりと見た。


「お、お前は見なくていいんだよ! おれとお前はライバルだからな!?」


大和も隼輔が見ていた方向に視線を向けようとするが、阻止されてしまう。


「……お前のにいちゃん、すげーかっこいいな」


 とても小さな言葉ではあったが、大和の耳には届いていた。

 大和は満面の笑みになると、”ありがとう。しゅんすけくんのおにいちゃんも、すごくかっこいいね”と書いた紙を見せる。

 それを見た隼輔は、元気な笑顔で自慢気に言うのだった。


「当たり前だろ! おれのじまんのにいちゃんなんだから!」


 向かい合っている二人の表情は、キラキラと輝く笑顔だった。

 幼い二人だけではなく、その場にいる全ての人間の心がほっこりと温まった瞬間である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ