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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第四十六話
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ママたちのアイドル☆

③久保寺柊平の場合


「……すまない。仕事が長引いて、来るのが少し遅くなってしまった」

「しゅうにい! ぜんぜんまってないよ! すぐにじゅんびしてくるね!」

「ああ」


 大和と美海は帰る準備をするため、玄関から離れていく。

 柊平がその場で二人を待っていると、他の児童の母親がやって来た。

 どうやら彼女も、子どもの迎えのようだ。


「こんにちは。ここのクラブ、こんなに若いお父さんがいたのね~」

「……初めまして。いえ、私は父親ではなく、同僚の弟妹を迎えに来ただけです」

「まあ、そうだったの。どおりで若いはずだわ~」

「……はい」

「どの子のお迎え?」

「柏木大和と、椎名美海です」

「大和くんと美海ちゃんね。うちの子はね……」


 世間話をしていると、帰る準備を終えた大和と美海がやって来た。


「大和くん、美海ちゃん、さようなら!」

「さようならー!」


 美海は元気に職員に挨拶をし、大和も声を出せない分大きく手を振る。


「……それでは、失礼します」


 柊平は話していた母親と職員に会釈をすると、二人を連れて出ていった。

 少し遅れて、別の母親がクラブに入ってくる。


「今、すごく若いお父さんとすれ違ったんだけど……」

「ああ。お父さんじゃないわよ。同僚の弟妹の迎えって言ってたもの」

「いいなあ。話したの?」

「ええ。お迎えのタイミングが一緒だったから、少しね。だって彼……」

「「とっても素敵だものね!!」」


 母親たちは、まるで少女のように楽しそうに話し始めた。

 お互いの子ども達がやって来るまで、柊平に関する話は続いたのだった。

 久保寺柊平がお迎えに行ったら――――ママたちのアイドル☆

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