お迎えに行こう!
「「「「「「(学童クラブへの迎え?)」」」」」」
「うん」
それは、とある冬の日の夕食のことだった。
ダイニングには隊員全員と透花、そして大和と美海、ぱかおの十一人と一匹が揃っている。
「最近、クラブの近くで変質者が出たらしいんだ。だから、保護者には出来るだけ迎えに来るようにしてほしいって連絡があったんだよ」
「でも、僕たち毎日は行けないから……」
「そこで、みんなで交替しながら行ったらどうかなって思って。私から、蒼一朗さんと心くんに提案させてもらったんだ。みんな、やってもらえるかな?」
透花は、柔らかな表情を浮かべる。
「……かしこまりました」
「りょーかい! まっかせて~☆」
「はい。僕がお役に立てるなら、是非」
「透花さんのお願いなら仕方ないね」
「もちろんっす! 人助けは素晴らしいことっすよ!」
「……わかった」
(オレも!? オレも行けるのか!?)
透花の呼びかけに、皆は良い返事をしてくれた。
「みんな、ありがとう。じゃあ決まりで! 大和くん、美海ちゃん、明日からはみんなが交替で迎えに行くから待っていてね」
いつもは二人の暗い帰り道も、明日からは違う。
そう考えるだけで大和と美海は嬉しくなり、自然と明るい表情になるのだった――――――――――。