今度は僕が
「……これは一体、どういうことだ」
お父さんは、状況を把握するように建物の中を見渡す。
攻撃が当たり、ボロボロになった壁や天井……。
血は出てないけど、倒れて動かなくなったリヒトさんの部下たち……。
「お前の仕業か……!? お前が、心を奪い返すために私の仲間を……!」
……お父さんは、透花さんを悪者だと認識したみたい。
すぐに、とてつもなく大きな竜の姿になった。
それは、リヒトさんや他のみんなとは比べ物にならないくらい迫力があって……。
見ただけで人を殺してしまえそうな鋭い視線が、透花さんを貫く。
(僕が……。僕が透花さんを守るんだ……!!)
僕の足は、いつの間にか動き出してた。
透花さんは強いから、僕の助けなんか必要ないかもしれない。
でも、透花さんが僕の心と体を守ってくれたように……!
(僕だって、透花さんのことを守りたい……!)
僕は、透花さんとお父さんの間に割って入った。
「心くん……」
透花さんを背中に庇うと、大きく両手を広げる。
何があっても、ここは絶対にどかないという意思表示だ。
そして、ありったけの力をこめてお父さんを睨みつけたんだ――――――――――。