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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第四十五話
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捻じれて、歪んで。

 ……昨日はあんなにひどく罵った透花さんのことを、どうして今更知ろうとするのか。

 透花さんだけじゃなくて、他のみんなや美海のことも……。

 なんで、僕がどんな風に生活してたのか気になるのか……。


(お父さんは、僕からみんなの情報を引き出そうとしてるんだ……)


 ……それしか、考えられない。

 お父さんは、絶対に美海のことも連れてくるって言ってた……。

 そのために、みんなの情報が必要なんだ……。

 僕の時は、一人しか連れてこれなかったから……。


「……お父さんに話すことは、何もないよ」


 僕の声は、震えてて、かすれてて、とても情けないものだったと思う。

 だけど僕は、絶対にみんなのことを話さない……。


「……心、あのな」

「……僕、ご飯いらない。もう、出てって」


 お父さんの言葉を遮ると、僕は立ち上がった。

 ベッドに行くと、頭から布団を被って丸まる。


(もう、お父さんの声なんて聞きたくない……。顔も見たくない……!)


 お父さんは少しの間は僕の部屋にいたみたいだけど、その内にカチャカチャという食器を片付ける音と一緒に出て行った。

 僕はずっと布団を被ってたから、気付かなかったんだ……。

 お父さんが、どんな表情で僕を見てたかなんて……。

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