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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第四十五話
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広がる溝

「心、おはよう!」

「………………………………おはよう」


 ……あれから、どれくらい時間が経ったのかな。

 すっかり日も上った頃に、お父さんが僕の部屋に来た。

 ……二人分の朝ご飯が乗ったお盆を持って。


「今日の朝食は、一緒に食べないか? 心と食事するなんて、久しぶりだな」

「………………………………」


 お父さんは、机の上にそれを置いてから椅子に座った。

 ……こっちを見てるから、僕も仕方なくそっちに行く。


「さあ、食べよう!」

「………………………………」


 お父さんは、朝ご飯を食べ始めた。

 僕も、一応椅子には座ったけど……。

 また、お腹は空いてるのに食べる気がしないよ……。

 そんな僕に、お父さんは色々と話しかけてくる。


「今日はいい天気だな」

「………………………………」

「おっ、これはうまいぞ。心も食べてみなさい」

「………………………………」


 僕は返事もせず、ご飯も食べずに、どうしてお父さんがここに来たのかを考えてた。

 昨日は、僕の話なんて全然聞いてくれなかったのに……。

 なんで、今日はこんなことするの……?


「……心、王都ではどんな暮らしをしていたのか教えてくれないか。一色透花は、お前にとってどういう存在なのか。一緒に暮らしていたのはどういう人間だったのか。あとは、美海についても聞きたい。お父さんは、赤ん坊だった頃の美海しか知らないからな……」


 その疑問は、お父さんのこの言葉で解決する。

 僕は、恐怖で震える足を抑えるのに一生懸命だった……。

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