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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第四十五話
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せめて夢だけでも

「シン様、こちらお食事になります」

「………………………………」


 夜になると、リヒトさんが僕にご飯を持ってきてくれた。

 テーブルにそれを置くと、そのまま部屋を出て行く。

 湯気を立てているご飯を、僕はぼんやりと見ていた。

 ……お腹は空いてるけど、食べる気がしないんだ。


(……晴久さんの作ったぜんざい、食べたかったな)


 何もすることがないから、どうしてもみんなのことを思い出してしまう。


(柊平さんに蒼一朗さん、理玖さんも大丈夫だったよね……? ぱかおも、ちゃんと生きてるってリヒトさん言ってたし……。虹太さんと湊人さん、大和くんは、急に僕がいなくなってびっくりしたかな……? そういえば、颯くんに現国のノート貸したままだったっけ……。透花さんに、ちゃんと挨拶できなかったのは心残りだけど……。あの人なら、美海のことを絶対に守ってくれる。よろしく、お願いします……)


 僕は、ポケットから封筒を取り出した。

 その中に入っている写真を見ながら、今までの楽しかった思い出を振り返る。


(ほんとは、こんな所にいたくない……。あの家に、帰りたいよ……。でも、僕にできるのはこれくらいしかないから……。嫌でも、ここで頑張っていかないと……)


 僕はそのまま、床に横になった。

 この写真を持って寝れば、みんなの夢が見られないかな……?

 そんなことを考えながら、目を閉じるんだ……。

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