表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第四十四話
559/780

僕の秘密

「ドラゴン……?」


 今、僕の目の前には青くて大きなドラゴンがいる。

 さっきまでは、確かに人間だったはずなのに……。


「シン様は、竜人という言葉を聞いたことはございませんか」

「りゅう、じん……?」

「はい。ヒトと竜、どちらの姿もとることが出来る種族です」

「人間と竜、どっちも……」

「これからお連れするあなたのお父様が治める国は、竜人族の国ですよ」

「それじゃあ、お父さんも……?」

「勿論でございます。そしてシン様、あなたにもその血は流れているのです」

「え……?」

「浅黒い肌に、赤の瞳。これが竜人族の特徴です」

「でも、僕はドラゴンになんてなれないよ……」

「あなたには純粋な人間であるお母様の血も混じっているので、変身は出来ないのかもしれません。それか、まだ力に目覚めていないだけでしょう」

「僕は、人間だよ……」

「いいえ。現にシン様は、竜人の証拠とも言える能力お持ちなのですから」

「竜人の、証拠……?」

「はい。シン様は、そこにいる獣の声を聞き、心を通わすことが出来る」

「………………………………」

「我々は全ての生物の上に立つ種族です。故に、あらゆる生き物との会話が可能なのです」


 頭を殴られたような衝撃が、僕を襲った。

 いろんな動物と話せるのは、僕が人間じゃないから……?

 この肌も、目の色も、全部僕が人間じゃない証拠だってこと……?


「さて、あの下等な獣に止めを刺すといたしましょう。先程も申し上げた通り、我々は全ての生物の上に立つ存在です。このような獣に負けるわけがありません」

「待って……! やめて……!! ぱかおも、やめて……! 僕のことは、いいから……!」

(そんなわけにいくか! シンをどこにも連れて行かせたりしない!)


 ぱかおの突進を避けたリヒトさんは、その首を鋭い爪で掴んだ。

 そして、口から吐いた炎でぱかおの体を焼いていく。


「もう、やめて……。お願いだから、みんなにひどいことしないで……」


 僕の意識は、そこでぷつりと途切れたんだ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ