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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第四十四話
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人ならざるもの

 大きな何かは、勢いよくリヒトさんに噛み付いた。

 そのままリヒトさんを銜えて、庭に放り投げる。

 この、銀色のもふもふは……。


「ぱかお……!」

(シン! 平気か!?)

「なんで、ここに……?」

(お前が変なヤツにさらわれそうだって、シュウヘイに聞いた! もしシンがそいつと二人で玄関から出てきたら、そいつに襲いかかるように言われてたんだ!)

「そっか……。今日、柊平さんと出かけてたもんね……」

(なんだよー!? もっと嬉しそうにしろよな! 前はお前を傷付けちゃったこの力だけど、今度はちゃんと守るために使ったんだぞ! 喜んで、そして褒めてくれ!)

「……ぱかお、ありがとう。あの、リヒトさんは……」

(リヒトってさっきのヤツか? 安心しろ! てかげんしたから、死んだりしない! まあ、怪我はしてると思うけど……)


 僕は、リヒトさんが飛んでいった方向を見る。

 すると、土埃の中にいたのは……。


「やれやれ、いきなり襲いかかってくるとは躾のなっていない獣ですね」


 なんで……?

 ぱかおに噛まれて、地面に叩き付けられたのに……。

 どうして、血の一滴も流さないで立っていられるの……?


(なんでこいつ、平気なんだ!? てかげんしすぎたか!?)

「では、次は本気でどうぞ」

(お前、オレの言葉がわかるのか……!?)

「勿論です。そしてあなたは私に勝てない。それが自然の理ですから」

(そんなの、やってみなきゃわかんないだろ! シンはオレが守る!!)

「ぱかお、待って……!」


 ぱかおは僕の言葉も聞かずに、リヒトさんに襲いかかった。

 リヒトさんはうまく避けながら、ぱかおに攻撃してる……。

 でも、今のぱかおはとても大きい……。

 リヒトさんの攻撃は、全然効いてないみたいだ。


(そんな攻撃、オレには効かないぞ!)

「そのようですね。やはり、ヒトの体のままでは無理ですか。今は、とにかく時間が惜しい。あなたの勇気に免じて、私の本当の姿をお見せしましょう」

(何言ってるんだ!?)


 リヒトさんの背中から、大きな翼が生えてくる。

 ……それだけじゃ、なかった。

 その体はどんどん変わっていって、遂に人間じゃなくなっちゃったんだ……。

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