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透く花の色は  作者: 白鈴 すい
第四十四話
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冷たい赤

「はあっ!」

「せりゃっ!」


 剣を持った柊平さんと、手にグローブをはめた蒼一朗さんがリヒトさんに向かっていく。

 リヒトさんは美海と理玖さんを離すと、二人と戦い始めた……。


「美海……。理玖、さん……」

「……僕なら平気だ。腕を掴まれただけだから。彼女も、気絶してるだけみたいだね」

「よかった……」


 僕はすぐに、美海と理玖さんに駆け寄った。

 二人とも、怪我をしてなくてほんとによかった……。


「でも、どうして柊平さんと蒼一朗さんが……?」

「……君がなかなか戻ってこないから、様子を見に来たんだ。そうしたら、不穏な内容の会話が聞こえてきたからね。彼に、戦闘員を呼び戻してもらうように頼んだんだよ」

「彼って、晴久さん……?」

「……ああ。本当は彼女と連絡を取りたかったんだけど、任務中で繋がらなかったから」

「そう、だったんだ……」


 柊平さんも蒼一朗さんも、用事を切り上げて帰ってきてくれたんだろうな……。

 あとでちゃんと、お礼を言わなきゃ……。

 そう思いながら、リヒトさんと戦う二人の方を見る。

 僕はここで、信じられない光景を目にしたんだ……。


「くっ……!」

「くそっ……!!」


 さっきまでリヒトさんと互角に戦ってた二人が、床に倒れてる……。

 この一瞬の間に、何が起こったの……?

 リヒトさんが素手で、柊平さんと蒼一朗さんは武器を持ってるのに……?

 二人を倒したリヒトさんの瞳が、僕を捉える。


(無理だ……。この人からは、逃げられない……)


 冷たい赤に捕らわれるように、僕の体はぴくりとも動かなくなっちゃったんだ……。

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